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生きる意味と生きる希望を

第3章 104期訓練兵


無事に初日の訓練が終わった。

今は夕食の準備中であった。

教官に突拍子もないことを言ったサシャ・ブラウスは、
死ぬまで走らされていた。

何人かの男子は、その様子をテラスで見ていた。

一方、フーリは、コップに入っているお茶をくるくるかき回して遊んでいた。

と、そこへクリスタがやってきた。

「もう、フーリったらお茶で遊んじゃだめだよ?
 夕食ができたから、テラスの男子を呼んできてくれる?」

フーリは、黙って椅子から立ち上がると、コップを持ったまま呼びに行った。



テラスの男子は、何やらお互いの出身地の話をしていた。

「ねえ、エレン。君の出身はどこ?」

マルコがエレンに尋ねた。

「アルミンと同じ、シガンシナ区だよ。」

そう言ってエレンは、アルミンの肩に手を置いた。

「盛り上がってるとこ悪いけど、夕食だ。」

フーリはテラスのドアによりかかった状態で言った。

「ああ、ありがとう。君は確か、フーリ・サトリアスだよね?」

マルコが笑顔で尋ねてきた。

犬みたいなやつ・・・。

「そうだ。あんたは、マルコだろ?憲兵団に入りたいとか言ってたな。」

「うん。よく覚えてたね。あの・・・フーリって、呼ばせてね。フーリは、どこ出身?」

「私は、ウォール・ローゼの地下町出身だ。」

そういうと、みな驚いた顔をした。

「本当か?!あのリヴァイ兵長と同じところの出身かあ。」

エレンは、羨ましそうに目を輝かせた。

「エレン、あんたは調査兵団に入りたいのか?」

フーリは、エレンに率直に聞いた。

「!!よくわかったな。」

「入りたい理由でもあるのか?」

「ああ。俺は、巨人をこの世から一匹残らず駆逐してやるんだ!」

その様子を見て、フーリは確信した。

「・・・家族を巨人に殺されたのか?」

エレンは一瞬目を見開いたが、すぐに戻って

「・・・ああ。」

とつぶやいた。

 
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