【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
【in a DREAM】
薔薇の迷路。
トランプ兵たち
「急いでバラを赤く塗るんだ」
忙しなく動き回るトランプ兵たち。
トランプ兵たち
「急がなきゃ花がしぼんじまうぞ」
その手には、赤いペンキと刷毛。
♣︎Aのトランプ兵
「急げ急げ!バラを塗り残してるぞ!」
バラを……塗る?
なにそのキテレツな仕事は……
ペンキなんて花には害でしかないんだから、やめるべきだよ。
アリス
「なぜ、白いバラを赤く塗るの?」
1人の少女が、トランプ兵に尋ねる。
金髪に青い瞳、エプロンドレスを纏った可憐な容姿の少女だった。
トランプ兵たち
「え?」
♣︎2のトランプ兵
「どうしてかって─実はな」
♣︎2のトランプ兵
「間違って白いバラを植えてしまったんだよ」
なんじゃそりゃ!
♣︎Aのトランプ兵
「女王様は赤がお好きだ。白なんて首になるよ!」
花を植え間違えただけでクビになるの?
アリス
「そうなの?」
♣︎3のトランプ兵
「そうとも。だから俺たちはバラを塗るのさ」
なんて厳しい女王様だ!
会ったこともない女王様に憤慨したところで、私はふと辺りを見回す。
そういえば、ここはどこだろう?
私は寮の自分の部屋で、寝ていたはずなのに……