【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
ユウ
「魔法でなんとかなったり……しないかな?」
私は、恐る恐る2人に聞いてみた。
グリム
「そうだゾ。オマエら、バーンとド派手な魔法とか使えねーのか?」
デュース
「先ほど学園長が言っていた通り、魔法は万能ではない。強くイメージ出来なければ、魔法は具現化しないんだ」
ユウ
「そうなの?」
デュース
「ああ。大がかりな魔法や複雑な魔法の使用には、相応の訓練が要る」
エース
「だから魔法学校があるんだけどね。パッと思い浮かべた通りに魔法を使うには、かなり練習が必要ってワケ。ぶっちゃけ、テンパッてるとミスりやすい」
ユウ
「なるほど、そういうものだったんだ……みんなテンションで使ってるんだとばかり」
魔法がどういうものか、少しだけ理解できた気がする。
エース
「得意な魔法なら感覚で使えるんだけどねー」
ユウ
「ふーん……だからグリムは、火の魔法しか使えないんだね」
グリム
「んなっ!こ、これからもっとすごい魔法を使えるようになるんだゾ!オ、オレ様は、まだ本気出してないだけなんだゾ!」
ユウ
「あ、ごめん。別に馬鹿にしたわけじゃないんだけど……」
大きな魔法を使うには訓練が必要で、グリムもエースもデュースも、まだ使えない。
でも本人が得意な魔法なら、使える……さっきも急に怪物に襲われても、エースもグリムも魔法は怪物に当ててたわけだし……
歯は立たなかったけど、怪物が一瞬でも動きを止めてたってことは、まったく効かないってわけじゃないんだと思う。
怪物にも魔法が通じるのは確かなら、まだ戦いようはある。
ユウ
「ねえ……」
デュース
「とにかく!」
私が話そうとしたらタイミング悪く、デュースの声に遮られてしまった。
デュース
「僕は、なんとかしてあいつを倒して魔法石を持ち帰る」
ユウ
「ねえ、聞いて……」
エース
「だーかーら!お前さー、シャンデリアの時といい、実は相当バカでしょ。さっき全然歯が立たなかったくせに、なんとかって何?何度やったって同じだろ」
ユウ
「聞いて欲し……」
デュース
「何だと!?お前こそ……」
グリム
「また始まったんだゾ」
──ブチッ