【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
その時、
???
「イジハ…………」
私達の目の前に、
???
「オデノモノダアアアアアオオオオオオ!!!!」
怪物が現れた。
「「「「で、出たあああああ!!!」」」」
手にはランタンとツルハシを持ち、赤い服を着て、でも足が無くて、顔も無い……頭があるはずの場所には、頭の代わりにひび割れた水晶のような物体があって、そのひびからは黒い液体が垂れている。
ユウ
「ぎゃあああ怖っ!!こっっっわ!!」
色気のない悲鳴を上げながら、私はエースとデュースの後ろにサッと隠れた。
何あれ何あれ何あれ!!??
デュース
「なんだあのヤバイの!?」
グリム
「ぶなああああ!!」
グリムは涙目どころか大泣きしてる。
グリム
「あんなの居るなんて聞いてねーんだゾ!!はよ逃げろ!」
エース
「めっちゃエグい!でもアイツ、石がどうとか言ってなかった!?」
グリム
「えぇっ!?」
ユウ
「石ってまさか……」
私は、バッと怪物を振り向く。
可能性を考えると、恐怖に震えてる場合じゃなかった。
顔のない怪物
「イジ…イシ、ハ……ワダサヌ………!!!」
「「「「!!!」」」」
ユウ
「石は渡さぬ……って、アイツ確かにそう言ったよね?」
ドワーフ鉱山にある石といえば、魔法石に違いない。
デュース
「やっぱり、ここに魔法石はまだあるんだ!」
デュースが表情を明るくする。
魔法石があるって分かったのは、喜ばしいことだけど……
グリム
「むむむむむりむり!いくらオレ様が天才でも、あんなのに勝てっこねぇんだゾ!」
問題は、どうやって取りに行くか。
デュース
「だが、魔法石を持ち帰れなければ退学……僕は行く!」
エース
「冗談でしょ!?」
ユウ
「デュース、待って!」
私は、両手でデュースの腕を掴んだ。
ユウ
「1人じゃ無理だよ!」
魔法石を取りに行きたいのはわかる!私だって今すぐ行きたい。
けど、あんな怪物に1人で挑むなんて危険過ぎる!
デュース
「俺は、絶対に退学させられるわけにはいかないんだ!」
バッ
ユウ
「あっ!」
デュースは私の手を振り解き、1人で怪物に向かって行ってしまった。