【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
エース
「なんか、机とか椅子とか全部小さくねえ?子ども用かな?いち、に……7人!多っ!」
ユウ
「食器まで小さいね」
デュース
「ドワーフ鉱山が栄えていた頃は、さぞ賑やかな家だったんだろうな」
ユウ
「……大人用の椅子や食器が見当たらない」
デュース
「え?」
ユウ
「変だよ」
小さな家具が子ども用だとしても、大人サイズのものが一つも見当たらないのはおかしい……
まるで、この家には子どもしか住んでいなかったみたいじゃない。
エース
「引っ越す時に持ってったとかじゃねーの?子どもが成長したから、子ども用のは置いてったんだろ」
ユウ
「うーん……」
エースの話は筋が通ってるし、納得できるのに……なんだろう、なんか違う気がしてならない。
エース
「ここでこうしててもしゃーない。魔法石があるとすれば炭鉱の中だよね。とりあえず、行ってみよーぜ」
ユウ
「うん……そうだね」
この家はちょっと気になるけど、今は魔法石を探し出す方が先決だ。
私は最後に一度家の中を見渡して、その小さな家を後にした。
◇◆◇◆◇◆
小さな家の正面に伸びる道を進んでいくと、炭鉱らしき洞穴に辿り着いた。
ユウ
「……なんか、炭鉱も微妙に小さい気がする」
エース
「そうか?こんなもんじゃね?」
ユウ
「うーん……」
エース
「つーかお前、炭鉱なんて入ったことあんのかよ」
ユウ
「ない」
エース
「じゃあ、この炭鉱が大きいか小さいかなんて、わかるわけねーだろ」
ユウ
「う、確かに……」
私の考え過ぎ?
グリム
「こ、この真っ暗な中に入るのか!?」
エース
「ビビってんのかよ。だっせー」
グリム
「なぬ!?ビ、ビビッてなんかねーんだゾ!」
明らかに怖がってるのに、エースに馬鹿にされてグリムが進んで前に出る。
グリム
「オレ様が隊長だ!オマエら、ついてくるんだゾ!」