【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第3章 【WelcomeToTheVillains'World】後編
闇の鏡から放たれる眩しい光が消え……
目を開くと、目の前には見知らない景色が広がっていた。
ユウ
「わっ!?本当に移動した!!」
エース
「何騒いでんだよ。扉(ゲート)を潜ったんだから当たり前だろ」
またエースに馬鹿にされたけど、今の私には驚きの方が勝っててムカつかなかった。
扉(ゲート)を潜ってって、話には聞いてたけど本当にまったく別の場所に移動しちゃった……魔法って凄い!
デュース
「ここが、ドワーフ鉱山……一昔前は魔法石の採掘で栄えたらしいが……」
グリム
「うぅ…何か出そうなんだゾ……」
あ、グリムがまた涙目になってる。
ユウ
「そういうこと言ってると本当に出てくるよ」
私達が居るのは暗い山の中、もう夜だから暗いのは当然だけど……
灯もなく生物の鳴き声も聞こえない暗闇は、オンボロ寮より不気味に感じた。
エース
「あ、奥の方に家がある。話聞きにいってみよーぜ」
ユウ
「え、こんなとこに人住んでるの?」
エースが示す方に進んでみると、そこには一軒の小さな家があった。
小屋ぐらいの大きさだけど、煙突があるし、小さな家と言う方がしっくり来る感じ。
3度ノックをして、デュースが扉を開けて中へと入った。
デュース
「こんばんは………って、空き家か。荒れ放題だ」
ユウ
「やっぱ、こんなとこに人が住んでるわけないよね」
グリム
「ぷわっ!顔に蜘蛛の巣が……ぺっ!ぺっ!」
家の中は、家具はめちゃくちゃで埃だらけ泥だらけ、ついでに蜘蛛の巣があちこちに張られていた。
ユウ
「オンボロ寮と大差な……ゲフンゲフン」
言ったら悲しくなるからやめておこう。
エース
「お前らが住んでる寮もこんな感じ?」
ユウ
「うちのがまだ立派ですぅ!」
そのうち私が、徹底的に磨き上げてやるんだから!