【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第9章 【荒野の反逆者】中編
グリム
「フサフサの尻尾……おっ、アイツじゃねーか?1人で庭走ってるヤツ!」
グリムが指差す方に目を向けると、そこには寮の外周を走ってるサバナクロー寮生の姿があった。
銀髪、狼っぽい耳、フサフサの尻尾プラス……
ケイト
「ビンゴ!グリちゃんお手柄。特徴ピッタリ。彼に間違いない」
エース
「っつーか、さっきの双子に引き続き体デカっ!」
190はありそうな高・身・長!(2回目)
ユウ
「ガッチリした人ですね……」
エース
「同じ1年には見えねーな」
エースが、私を見ながらそう言った。
ユウ
「うるっさいな!ほっといてよ!」
そんなの私が一番わかってるっての!!
ケイト
「あれは、運動部がみんなスカウトしたがるわけだね」
デュース
「あれ?あいつは……」
デュースが、ジャックを見て少し驚いたような顔をする。
ユウ
「デュース、どうかした?」
デュース
「見覚えがあると思ったら、あいつ……確か、僕と同じ陸上部だ」
ユウ
「え、そうなの?」
デュース
「ああ。話したことはないが、練習中何度か見たことがある」
へぇー、期待の新入生をゲットしたのは陸上部だったんだ。
デュース
「あのたくましさは格闘技にも向いていそうだな」
ユウ
「うん……」
こんなこと思うのは失礼だけど、ちょっと怖そう……
そう考えたところで、私は首を横に振った。
ダメだ、レオナ先輩のせいで獣耳の人に対する恐怖心が湧き始めてる……今は怖がってる場合じゃないのに!
ユウ
「さ、早速話しかけてみよっか」
デュース
「ユウ、顔色が悪いぞ」
ケイト
「ユウちゃん、緊張してる?オッケー、ダイジョブ、リラ〜ックス!」
私の顔の前でヒラヒラと手を振って、ケイト先輩は私に向けてウインク。
ケイト
「いきなり噛みついてきても、守ってあげるからさ♪」
まるでか弱い女の子に言うように、ケイト先輩は私に笑いかけた。