【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編
ユウ
「グリムの目的は『ナイトレイブンカレッジの生徒になること』じゃなくて、『大魔法士になること』なんでしょ?」
グリム
「ぐぬ…………」
ユウ
「明日から一緒に頑張ろうね〜」
よし、とりあえず寝れるくらいには掃除できた。
ユウ
「ねぇ、グリム」
グリム
「ん?」
ユウ
「雑用の話は別として……私達ここで一緒に生活することになったんだから、これからはグリムも掃除とか協力してね」
グリム
「ええ〜!?何でそんなことしなきゃならないんだゾ!」
ユウ
「家事するの嫌?」
グリム
「いやなんだゾ!!」
うん、そう言うと思った。
ユウ
「だったら、こうしない?私は魔法が使えないから、魔法の力が必要なところは、グリムに協力してもらう。それ以外は、私がグリムの分も働くよ」
グリム
「うーん……まあ、それくらいなら良いんだゾ。魔法使えないオマエの代わりに、オレ様が魔法使ってやる」
よっしゃ!
ユウ
「じゃあさっそく、屋根の雨漏りしてた所魔法で直してね!」
グリム
「ふなっ!?」
グリムが驚きあまって、バッと私の方を見る。
グリム
「オマエ、最初からそのつもりだったんだゾ!?」
ユウ
「だって魔法ならパパーっと直せるんでしょ?また雨降ったら困るし……ね?」
グリム
「ぐぬぬ……オマエ、ずるいヤツなんだゾ!」
グリムは両手を挙げて抗議するけど、その後ちゃんと屋根を直してくれた。
ユウ
「ありがとう!じゃあ、クロウリーさんがくれた夕食はグリムに全部あげる」
グリム
「ふ、ふん!これぐらいじゃ、オレ様は喜んだりしないんだゾ」
とか言いつつ、グリムはあっという間に平らげてしまった。
私は正直、今はとてもじゃないけどご飯食べる気になれない……
ベッドも慣れないし……横になっても、中々寝付けない気がする。
それでも、これからはここで生活していかなきゃいけないんだ……
ユウ
「……頑張ろう」
グリムの寝息を聞きながら、私は一人で呟いた。