【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第9章 【荒野の反逆者】中編
ルーク
「キミの輝きは、化粧品の質で左右されるほど、淡くはないだろう?」
ヴィル
「そんなの知ってるわよ。でも、もうワンランク上を目指すために手は抜けないでしょ」
ルーク
「いいね!その意識の高さ。実にマーヴェラスだ!」
ルーク先輩は両腕を広げて、感動をあらわにする。
確かに、ちょっと変わってる……かな?
グリム
「う〜〜〜ん。なんだか強そうな感じが全然しねぇんだゾ。オレ様が犯人なら、コイツは狙わねえな」
強そうな感じがしないのは、私も思った。
ルーク先輩にはレオナ先輩のような威圧感を感じないし、寧ろ後輩や寮長と気さくに話してる様子から優しそうな人だと思える。
横文字の多い話し方や、身振り手振りの大きさから少し変わった人だと感じても、アズール先輩のような嫌な演技臭さはない。
ケイト
「ユウちゃんは、どう思った?ルークくんの印象」
ユウ
「まだ、狙われないとは言い切れませんが……狙われなさそう、とは思いました」
エースとデュースと目を合わせると、2人も同意見だと頷いた。
ケイト
「んじゃ、次行ってみよっか」
ユウ
「はい」
◇◆◇◆◇◆
ケイト先輩の案内で次に向かったのは、本校舎の中庭。
ケイト
「次は、オクタヴィネル寮。けーくんチェック的には、2年のジェイド&フロイド・リーチ兄弟に要注意。連携攻撃が強力で、対戦相手の寮が手を焼いてたと情報アリ」
ベンチとその裏の木の陰に隠れながら、私たちはそのジェイドとフロイドという人を覗き見た。
ケイト先輩から聞かなくても、どの2人がターゲット候補かはすぐに分かった。
グリム
「わっ!まるきり同じ顔が2人いるんだゾ」
ユウ
「双子っぽいね」
ここからでも目立つ、明るいターコイズブルーの髪も特徴的だけど、なにより……
エース
「つか……あの2人、周りの生徒が小さく見えるくらいスゲー背がデカくない?」
190はありそうな高・身・長!
こんなこと思うのは失礼だけど、ここから見てるだけでコワッ!