【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
【HEROINE side】
オンボロ寮-自分の部屋
朝、私は自然と目を覚ました。
ユウ
「…………」
また不思議な夢だったなぁ……
でも今回見た夢は、今まで見てきたハートの女王の夢とは違った。
ユウ
「う〜〜!」
夢のことを考えながら、私は起き上がってグッと伸びをした。
グリム
「ふなぁ〜〜〜ん!!ゴロンニャ〜〜ン!ニャビニャビ〜〜……」
ユウ
「わっ!……なんだ、グリムか」
でっかいイビキ!
またゴーストたちが脅かしに来たのかと思ったら……
ゴーストA
「なんだぁ?なんの音だ?」
ゴーストB
「グリ坊のイビキか?」
ゴーストC
「今日も盛大なイビキだ〜」
と思ったら本当に来ちゃった。
ユウ
「レッチさん、スティンさん、ファットさん、おはよ」
私が挨拶すると、3人はフワフワと私のベッドの周りを飛び始める。
ゴーストA→レッチ
「なんじゃあ、嬢ちゃんの方は起きとったのか」
細身のレッチさん。
ゴーストB→スティン
「まだ寝てんならイタズラしてやろうと思ってたのに……イーッヒッヒッヒ」
小柄なスティンさん。
ゴーストC→ファット
「まだ登校まで時間がある。もう一回寝ちまったらどうだ?」
太めのファットさん。
ユウ
「今の話の流れで寝れるか!」
オンボロ寮で生活するうちに、ゴーストたちとは会話が成り立つ程度には打ち解けることが出来た。
私がオンボロ寮を掃除すると、居心地が良くなったと褒めてくれて、悪戯されることも減ってきて……いや、今もたまにされることあるけど。
レッチ
「なんじゃ?お前さん、おかしな顔をしとるのぉ」
ユウ
「そう?……今日見た夢について考えてたからかな」
ファット
「へぇー、どんな夢だい?」
私は顎に手を当て、今日見た夢について思い出す。
ユウ
「確か、サバンナみたいな広大な自然の中で……崖の上にライオンとマントヒヒが立って、下にいる動物たちに向けて、仔ライオンを掲げる……その様子を眺めてるような夢でした」
スティン
「はぁ?なんだそりゃ!」
レッチ
「おかしな夢もあるもんだ。嬢ちゃん、想像力豊かだな」
果たして想像力の産物なのか怪しいけど……