【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
私は、リドルくんにサムズアップする。
ユウ
「大丈夫、オイスターソースは入れないから」
リドル
「その話はもう忘れてくれないか!」
あんな喉が焼けるような経験は、なかなか忘れられないよ。
ユウ
「『なんでもない日』のパーティじゃなかったら、ハーツラビュル寮にマロンタルト持ち込んでも良いんだよね?」
リドル
「あ、ああ」
ユウ
「マロンタルト、一緒に食べようよ。リドルくんが好きなミルクティーに、蜂蜜たっぷり入れて。それで、いっぱいおしゃべりしよ!」
リドル
「!……うん」
リドルくんが、再び笑顔になる。
花が咲くような笑顔だった。
その後、私はリドルくんと一緒にパーティ会場の方に戻って……
グリムから「遅いんだゾ!!!」と怒鳴られた。
◇◆◇◆◇◆
【NARRATION】
ハーツラビュル寮からところ変わって、サバナクロー寮……
寮長の部屋を訪れていたラギーは、窓の外を眺めながら1つ溜息を吐いた。
ラギー
「あーあ、いいなあ。……ハーツラビュルのヤツら、今日はご馳走食いまくりのパーティらしいッスよ」
ラギーはそう話しながら、部屋の主を振り返る。
ラギー
「サバナクローにも、そういう腹が膨れる伝統ないッスかねぇ」
レオナ
「フン……晴れた日の昼間に、ケーキやらクッキーやら食いながら楽しいパーティだ?虫酸が走るな」
部屋の主……サバナクロー寮寮長・レオナは、ラギーの話に興味なさげに答えた。
レオナ
「それよりラギー、例の件だが……」
ラギー
「任せてください。ちゃーんと準備進んでるッスよ。シシシッ!」
笑うラギーを見て、レオナも口元に弧を描く。
レオナ
「アイツらが暢気に茶を飲んでられるのも今のうちだ……気取ったマレウスのヤツもな」
レオナの目は、この部屋にはいない者の姿を確かに見据えていた。
レオナ
「覚悟しておけ……フッ、フハハ!ハハハハハ!」
部屋に、レオナの笑声が響く。
それは不穏な足音として、彼らの獲物へ近づき、その背へ歯牙をかけんとしていた。
それに気付ける者は、まだいない。
──To Be Continued