【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
【NARRATION】
翌日
ハーツラビュル寮-談話室
リドル
「ハートの女王の法律・第249条『フラミンゴの餌やり当番はピンク色の服を着用すること』」
リドルはソファの上へ優雅に腰掛けたまま、目の前に立つ寮生を見つめる。
リドル
「今日は、キミが餌やり当番だったはずだよ。ピンク色の服は?何故着ていないんだい?」
ハーツラビュル寮生
「申しわけありません。洗濯中で……り、寮長!どうか、首をはねるのだけは!」
その寮生は、怯えたように、リドルへ何度も謝罪を口にする。
しかし、リドルの裁定は無慈悲なものだった。
リドル
「キミがルールを破るのは、これで2度目だ。もう看過できない──『首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)』!!」
ガチャン!
ハーツラビュル寮生
「ぐわーーーっ!!」
リドルのユニーク魔法が発動し、寮生の首にハートを象った魔法封じの首輪が付けられた。
リドル
「5000文字の反省文と、庭の草むしりを1週間だ。そうしたら、魔法を解いてあげよう」
ハーツラビュル寮生
「うっうっ……そんなぁ……」
寮長の言葉に、寮生は項垂れ涙を流す。
リドル
「ボクだって、やりたくて首をはねてるわけじゃない!キミたちがルールを破るからだろう!?」
リドルの言葉は、まるで自身へ言い聞かせているかのようだった。
リドル
「ルール違反を軽視することは、キミたちのためにならないんだ。わかったね」
リドルは、ヒラリと手を振る。
リドル
「トレイ、ケイト。彼を……外へ」
ケイト/トレイ
「………はい、寮長」
寮生は、無慈悲にも寮の外へと追い出されてしまった。
リドルを止める者は、誰も居ない。
◇◆◇◆◇◆
同日-放課後
図書室
トレイ
「………」
トレイは、借りていた本を元あった棚へと戻した。
そこへ、3つの影が近づく。
デュース
「クローバー先輩」
トレイ
「!お前たちか……」
トレイの前に現れたのは、エース、デュース、そしてグリムの“3人”だった。
トレイ
「……ユウは……」
デュース
「……ここには、来ていません」
エース
「アンタに会わせるわけねえだろ」
エースは怒りの限り、トレイを睨む。