【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
デュース
「幼なじみってことか。そんな感じはしなかったが……」
デュース
「おみゃーがそう思うなら、そうなんじゃにゃーの。ほんなら、俺に聞く必要はないにゃあ」
その時、チェーニャさんが再び体を消した。
チェーニャ
「ほいじゃあ」
デュース
「あっ、おい!」
チェーニャ
「フーンフッフ〜ン♪フーンフッフ〜ン♪フ〜ンフフフーン♪」
鼻歌を歌いながら、チェーニャさんは頭も姿を消して、鼻歌も離れて行き……やがて聞こえなくなった。
ユウ
「……居なくなった?」
何でこんなところに居たのか、どこの寮の人なのか、結局何もわからなかったな……
グリム
「なんか変なヤツだったんだにゃあ……あっ!口調がうつった!」
ユウ
「似合ってるよ」
軽口を言いながら私は、自分の頬に手で触れる。
触るとまだ、ジンとした痛みが走った。
デュース
「ずっと首輪を嵌められたままじゃ、まともに授業も受けられない!クローバー先輩に話を聴きに行ってみよう。それに……」
エース
「謝って外してもらうなんて、ダセーから絶対やだ」
ユウ
「頑固だね」
まぁ、エースならそう言うと思ったけど……
ユウ
「学園で、トレイ先輩を待ち伏せしてみよう」
出来れば、リドル寮長には会わないような所で。
デュース
「ユウは……その、大丈夫なのか?」
ユウ
「大丈夫だってば、そんなに心配しないで?」
デュースの優しさを嬉しく思いながらも、私は手を振ってその心配を否定する。
ユウ
「僕だって、トレイ先輩と話したいよ」
怒らせて、殴られて、逃げたまま……なんて、絶対に嫌だし。
デュース
「そうか……」
エース
「……ダメだ」
ユウ
「え?」
エースの方を見ると、エースは眉間にビッチリとシワを刻んでいた。
エースが、ビシッと私に指を差してくる。
エース
「ユウとトレイ先輩は会わせねえ!」
ユウ
「ええ!?」
デュース
「エース、何を……」
エース
「絶対に会わせねえからな!!!」
本気の目だった。
な、何で!!?