【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第6章 【真紅の暴君】中編
放課後
私とグリムは植物園でエース、デュースと待ち合わせ、一緒に裏の栗の木の元に向かった。
グリム
「おわー!本当に、たくさん栗が落ちてるんだゾ。これだけあれば、マロンタルト食べ放題……ぐへへ」
昼休憩に引き続き、出来立てマロンタルトを食べる為に、グリムはやる気満々。
ユウ
「グリム、いがぐり拾う時は気を付けなよ?」
グリム
「早速拾って……あいでっ!ふな゙ー!!栗の刺が肉球に刺さったんだゾ!」
言わんこっちゃない。
ユウ
「いがぐりは軽く握らないと、刺が刺さって痛いに決まってんじゃん」
私はいがぐりを一個拾って、グリムに見せびらかしてやる。
グリム
「よ、よし、軽くだな……ふな゙ー!!また刺さったんだゾ!?」
ユウ
「ヘタクソ」
グリム
「にゃにおぉう!?」
グリムは栗拾いしたことないのかな?
デュース
「素手で拾うのは難しそうだな。拾ったものを入れる、カゴかバケツも欲しい」
ユウ
「何も道具持ってこなかったの失敗だったね」
エース
「植物園の中にどっちも有りそうじゃね?」
デュース
「行ってみるか」
ユウ
「勝手に入って大丈夫なの?」
デュース
「植物園の出入りは禁止されてなかったはずだ」
それなら良いけど……
私は、今もなおいがぐりと格闘してるグリムを振り返った。
ユウ
「ほらグリム、行くよ」
グリム
「ふなっ!?どこ行くんだゾ!」
刺が刺さり過ぎたのか、グリムは若干涙目だった。
◇◆◇◆◇◆
植物園の扉に鍵はかかってなくて、私達はすんなり中に入ることができた。
エース
「うわー、思ったより中広い」
天井は高く奥行きも広い園内では、私が知ってる植物、元の世界で見たことの無い植物、色とりどりの花や樹木や果実が育てられていた。
デュース
「これだけ広いと、管理してる奴がいるはずたな。手分けして探してみるか」
エース
「んじゃ、右に行く」
デュース
「俺は左に。グリムとユウは、まっすぐ奥へ行ってみてくれ」
ユウ
「わかった」