【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
ユウ
「……手伝って欲しい?」
さっきの仕返しと思って、私はここぞとばかりにニマっと笑って言ってみた。
エース
「お前……ほんっと根に持つよな!」
ユウ
「聞こえないなー?」
ニマニマ笑ったまま見つめ続けてると、エースは観念したように……
エース
「……手伝ってくれ……頼む」
小さくそう言った。
ユウ
「うん、いいよー」
勝った!←
ユウ
「ね、エースもこう言ってるんだし、グリムもデュースも一緒に手伝ってあげようよ」
グリム
「ええー……嫌なんだゾ」
グリムは本当に面倒臭そうに、その場でぐでーっと寝転がる。
ケイト
「まーまー!みんなで作ってみんなで食べたら絶対美味しいって。思い出作りってやつ?お料理ブロガーデビューもできちゃうかもよ」
トレイ
「寮長には内緒だけど、マロンタルトは作りたてが一番美味いんだ。出来立てを食べられるのは作った奴だけだぞ」
グリム
「おうおうオマエら!気合い入れろ!クリを拾って拾って拾いまくるんだゾ!」
ユウ
「変わり身早っ」
さっきまでゴロ寝してたクセに、今は立って片手を上に向けてやる気満々。
ユウ
「デュースも手伝ってくれる?」
デュース
「はぁ……仕方ないな」
ユウ
「ありがとう!」
なんだかんだでデュースも優しいな〜。
デュース
「ユウが礼を言うことじゃないだろ」
おかしそうにデュースがクスッと笑う。
ユウ
「あはは、そういえばそうだね」
タルト作り終わったら、エースにまとめて言わせよう。
ユウ
「栗は、どこに行ったら拾えますか?」
トレイ
「栗の木は、学園内の植物園の裏の森にたくさんあったはずだ」
まさかの学園内!
エース
「よーし。んじゃ、放課後、植物園の前に集合で」
グリム
「ゴーゴー栗拾い!なんだゾ〜!」
ユウ
「おー!」
本当は、放課後は図書室で元の世界について調べるつもりだったんだけど……まぁ、しょーがないよね。
エースには助けてもらった恩もあるし!