【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第5章 【真紅の暴君】前編
グリム
「ふわぁ〜!今日も美味そうなものがいっぱいなんだゾ〜!」
ユウ
「昨日も思ったけど、ビュッフェ方式なんてお洒落だよね」
たくさんの料理の中から、プレートに好きなものを好きなだけ取って、取った分のお金を払うシステム。
学食にしては金額はちょっと高めだけど、それ以上に料理は豪華!
グリム
「ふわふわオムレツ!鶏肉のグリルに、ベーコンエッグタルト!!!!!!!!」
エース
「だーっ、声がでかい!休み時間だけ元気になりすぎだろ、コイツは……」
ユウ
「昨日もこうだったよ」
私の腕の中で、グリムが手足をバタつかせる。
グリム
「ユウ!オレ様、鶏肉のグリルがいい!最後の一個なんだゾ!」
ユウ
「はいはい」
グリムを肩に掴まらせて、私はプレートに鶏肉のグリルを取ってやった。
グリム
「あとオムレツも!ジャムパンも!」
ユウ
「はいはい」
グリム
「いっぱい取って欲しいんだゾ!」
ユウ
「わかったから、あんまり暴れないで……って、わっ!」
グリムにグイグイ引っ張られたことで、私は思わずバランスを崩す。
ドンッ
グリム
「あだっ!」
数歩たたらを踏んでしまったことで、誰かに背中からぶつかってしまった。
不良A
「あ〜〜〜〜っ!?」
振り向くと、カルボナーラ片手にこちらを睨む、ガラの悪い上級生と目が合う。
不良A
「オイ、テメェ!お前がぶつかってきたせいで、パスタの温玉が崩れちまったじゃねえか!」
ユウ
「お、温玉!?あの、すみませんでした」
予想外の単語に驚いたけど、とにかくぶつかったのは私だから、すぐに謝った。
不良B
「おいおいおい〜!」
ぶつかった相手の隣にいた、これまたガラの悪い上級生が声を上げる。
不良B
「ぷりっぷりの温玉を崩すのは、カルボナーラ一番のお楽しみだぜ?どう落とし前つけてくれんだよ!」