第67章 *最高潮ビート*
ううん、そんなはずない。だって狩人さんは、ヴィルさんにとって大切なお友だちで、狩人さんだってヴィルさんのこと誰よりも分かってて、大切にしてるはずなのに...
そんな人がヴィルさんにあんな顔させるはずないもん
でも、エースたちがありえないもの見たような顔で、まるで怒ってるように狩人さんと話してる
それでも狩人さんはいつもの笑顔で、ヴィルさんに何かを伝えてる。だけどヴィルさんは笑顔じゃなくて静かに泣いてた
ユウ『....レイラ、レイラ?』
『!!...ユウ..』
ユウ『大丈夫?顔色凄く悪いよ。まあでも無理もないか。今日はいっぱい疲れたのに、優勝逃しちゃったもんね..』
『....ユウ、分かんないの』
ユウ『どうしたの?』
『さっきから、ここが苦しい。ギュッて絞められてるみたいで、苦しくて、痛くて、奥でモヤモヤして..どうしていいか分かんない』
ユウ『それは...きっと"悔しい"ってことだね。カリム先輩の時と一緒。慣れない感情だったから戸惑ってるだけだよ』
そう言ってユウは優しく抱き締めて撫でてくれた
でも違う、それだけじゃない...悔しいだけじゃない別の何かが体の奥から溢れ出そうで怖い
ユウに抱き締められながら舞台にもう一度目を向けると、ヴィルさんたちのところにあの人が来た
トロフィーを持って、ニコニコして....
胸のモヤモヤが強くなった...
ヴィルさんと話した後、今度は狩人さんと話始めた。お客さんの声と距離が遠いから舞台の声は聞こえない。でも、表情ならここからでも見える
狩人さんはあの人と話始めた瞬間、目をキラキラさせていつもより何倍も嬉しそうにしていた。少し泣きながら...
どうしてそんなに嬉しそうなの?負けちゃったのに..みんな悔しいって泣いてたのに...
ねぇ、どうして?
狩人さん....どうしてあの人の手を握って笑ってられるの?
頭が痛い....重い...苦しい...