第64章 *開幕ボルテージ*
サイドストリート-フェスティバル
ザワザワザワザワ...
グリム『まだ開場前だってのに、すげえ人なんだゾ!』
一般客が入ってくる入り口のエリアへ足を運んだユウたちの前に広がっていたのは、今にも溢れ反りそうな程に開場を今か今かと待つ来客たちの群れだった
トレイ『全国魔法士養成学校総合文化祭は、その名の通り全国の魔法士が集まる芸術祭だからな。関係者だけでも、かなりの人数にのぼる』
ジリリリリリ!!!
学園長『みなさま、大変お待たせいたしました。ただいまより全国魔法士養成学校総合文化祭を開催いたします』
クロウリーからの開会の宣言と共に、一般客、そしてスタッフの生徒たちからも歓声と拍手の音が学校中に響き渡る
が、次の瞬間、文化祭の目玉であるVDCのステージを目指して一般客が我先へと走り出した
?『ボーカル&ダンスチャンピオンシップの会場、パープルステージってどっち!?』
?『キャンセル枠の当日の待機場所どこ!?』
?『生ネージュくん、早く会いた~い!』
?『きゃ~っ!ここがヴィル様の通ってる学園!?すご~い、マジカメにアップしよっと!』
するとそんな一般客たちに対して、注意を叫ぶ声がリドルたちの耳に聞こえてきた
?『おい人間!!走るな!!そして歩きスマホをするな!!』
その青年はいつかオンボロ寮で見た人物だった。若草色の髪をかきあげ、どこかの騎士のような佇まいで、その声はまるで稲妻を彷彿とさせるような程の声量を放つ
シルバー『当日券の抽選は、先着順ではありません。スタッフの指示に従い、落ち着いて並んでください』
そんな青年の隣に立つシルバーは、冷静な口調で一般客を誘導しようとしていた
グリム『な、なんなんだゾ、あの客の大群は!?』
リドル『恐らく、ヴィル先輩とネージュ・リュバンシェとやらのファンだろう』
トレイ『世界的に人気があるのは知ってはいたけど、こりゃ凄いな』
リドル『(あの二人は..)よし、行こうか』
二人の姿を見つけたリドルは、知り合いだったようでトレイたちを連れて二人に近づいていく
そして二人もリドルに気づいたのか、一般客に向けていた視線をこちら側に向けた