第61章 *苦悩シャウト*
オンボロ寮・カリムとジャミルの部屋
カリム『それじゃ電気消すぞ。おやすみ、二人とも』
『おやすみ、カリムさん』
ジャミル『さっさと寝ろ』
パチンと部屋の明かりが消され、窓から差す月明かりが部屋を淡く照らし出す
ジャミルと向かい合わせに寝転んだレイラは、すぐに寝ることはせず、暫く無言で目の前のジャミルを見つめていた
ジャミル『なんだ?何かついてるか?』
『ううん。ジャミさんとは初めて寝るから、凄く新鮮で..あとね、』
手を伸ばしジャミルの髪の毛を一房とると、軽く指先で弄り始める
『髪下ろしてるジャミさんも新鮮。凄くキレイ..サラサラツヤツヤだ』
ジャミル『っ..//髪の手入れは毎日怠ってないからな。それを言うならお前の髪だって凄く綺麗だ』
優しく頭を撫でられ、気持ち良さそうに目を細めると、額に柔らかい感触が当たった
『...むぅ..』
ジャミル『ん?何かダメだったか?』
『こっちにはしてくれないの?』
額に口づけたことに何か不満があるのかと内心ハラハラしながら問うと、レイラは自身の唇を指で押さえながら上目で見つめた
ジャミル『なっ//ど、どこでそんなことを覚えた!そんな誘うような』
『ジャミさん、しーだよ。カリムさん起きちゃう』
ジャミル『っ..//!』
『ぇ..っゃ..//』
静かにするようにと、その指を今度はジャミルの唇に当てる。その行動1つで彼の欲を刺激するには充分だった
煽られたジャミルはその手を掴みベッドに縫い付けると、小さな体の上に跨がり熱で揺らめく瞳で見下ろした
『ジャミ、さん?』
ジャミル『唇へのキスをご所望だったな』
『ぁ..ぇ、と..』
危険な雰囲気を纏ったジャミルに困惑を隠せないでいると、彼はすぐ隣に置いてあったマジカルペンを手に取る。ペン先から淡い輝きがフワリと浮かび、ベッドを覆うように広がる
『なに、したの?』
ジャミル『ん?防音魔法だ』
カタンとペンを置かれるのを視界の端で見届けると、ジャミルの顔がよりいっそう近づき、額同士が優しくくっついた
ジャミル『これで、お前を思う存分喰い尽くせる』
『ぁ..ジャミさ、ま、待って..』
ジャミル『待たない。お前から望んだことだ』