第8章 *先輩サウザント*
実験室
1時限目、魔法薬学
?『お前たちが今日から俺の担任クラスに入った新顔か。ふぅん、珍しい毛色をしているな。悪くない。日頃から手入れを欠かさないように。俺の名前は、デイヴィス・クルーウェル。気軽にクルーウェル様と呼んで良いぞ』
白衣に着替え、教室にたどり着いたユウ達の前に、黒と白の二色の髪を持つ、毛皮で出来たコートを纏う男性が指摘棒を片手に立っていた
ユウ『うわぁ...なんか凄い先生だね』
『カッコいい、ね』
『『『えっ!!!???』』』
突然のレイラの発言に、エース達は一斉にレイラへと視線を向ける
ユウ『カ、カッコいい...?』
『ん...綺麗でカッコいいよ』
エース『マジ...か...』
デュース『俺も、あんな風になればいいのか...』
ユウ『頑張ろう...』
『???』
クルーウェル『...おい、そこの仔犬』
突然クルーウェルはレイラの前まで歩いてくると、短くした指摘棒でグイッとレイラの顎をとらえ目線を合わせるように顔を上げさせた
『ん?...なに?』
クルーウェル『お前が学園長の言っていた異例の女子生徒か....うん、悪くない』
顔を近づけ、頭の先から足の先までじっくりと眺めると、色っぽい笑みを浮かべる
クルーウェル『これはまた愛らしい仔犬だ。調教しがいがある』
『私、ワンちゃんじゃなくて兎なんだけど...。まぁいいや、先生は綺麗でカッコいいよ』
クルーウェル『ふ...早速媚売りか?』
『???思ったこと言っただけ...ダメ?』
クルーウェル『いや...今は褒め言葉として受け取ってやる。せいぜい励めよ、愛らしい仔兎』
レイラの頭を一撫ですると全員に向き直り、席に着くように指示を出した
デュース『レイラ...俺も、先生のようになるから...待っていてくれ』
『ん?デュースは今のままでいいよ...ううん、みんな今のままでいい。今のみんなが、好き...そのままでいて?』
デュース『っ....わ、分かった...///』
エース『かぁ~っ...無自覚タラシ』
ユウ『らしいっちゃらしいけどね』