第8章 *先輩サウザント*
ケイト『リドルくんは歴代寮長の中でもかなりガチガチに伝統を守ってる真面目な子だからね~。ま、ちょっとやり過ぎなところも否めないけど』
エース『そうだ、オレもこんなことやってる場合じゃなかった。寮長に話があるんですけどまだ寮内にいます?』
ケイト『ん?まだいる時間だと思うけど...ところで寮長のタルトを盗んだエースちゃん。お詫びのタルトは持ってきた?』
エース『え?いや朝一で来たから手ぶらすけど...』
ケイト『あちゃ~、そっかぁ。それじゃあハートの女王の法律・第53条。"盗んだものは返さなくてはならない"に反してるから、寮には入れられないな』
エース『はあ?なんだそりゃ!?』
ケイト『この寮にいるからにはルールに従ってもらわないと。見逃したらオレも首をはねられちゃう。悪いけど、リドルくんが気づく前に出てってもらうね』
エース『ちょっ、あの顔本気じゃん!お前らなんとかして!』
デュース『なんで俺が!』
エース『今オレ魔法使えねぇし、うわ来たっ!』
ペンを構えてこちらに歩いてくるケイトに、魔法の使えないエースはデュース達を盾にするように押し込んだ
五人はハーツラビュル寮前まで、追い出されるように誘導され、追い出した本人は変わらずニコニコしながら手を振りながら戻っていった
ケイト『それじゃあ、タルト持って出直してきてね♪ばいばーい!』
エース『なんなんだよ、アイツ~!』
デュース『倒しても倒しても湧いてきた...幻覚魔法か何かか?』
『湧いてきたって、虫みたい...』
エース『それより、タルトがないなら門前払いなんだろ?オレら最初から手ぶらだったじゃん。薔薇を塗るのだけ手伝わせやがって~!』
グリム『ちゃっかりしてるんだゾ』
デュース『じゃあ、お詫びのタルトを持って出直しだな。放課後にでも...ハッ!!やばい!!』
『もう予鈴終わってる...みんな遅刻する、よ?』
エース『そういえばユウ達のクラスどこ?一年だろ?』
『1-Aって、クロさんは言ってた、んだよね?』
ユウ『うん、確か』
デュース『なんだ、同じクラスじゃないか。1時限目は魔法薬学だな』
『みんな、急がないと..』
クッとエースとユウの袖を引っ張ると、全員慌てて教室へと走っていった