第49章 *再会シーク*
背中に軽い衝撃が走り、誰かとぶつかってしまったことに気づき振り返ると、そこには薄紫のフワリとした髪の愛らしい少年が地面に尻餅をついていた
デュース『..っと、悪い!大丈夫か?』
咄嗟に謝るが、少年の目からはジワジワと涙が滲み始めていた
?『あ、う....ううっ』
デュース『えっ!?な、泣いてる!?』
エース『せんせ~、デュースくんが他の寮の子泣かせてまーす』
デュース『からかうなエース!』
少年の今にも泣きそうな顔に、エースが明後日の方向へ向けてわざとらしくからかうと、デュースはギッと睨んではすぐに少年の近くへ駆け寄った
デュース『泣くほど痛かったなんて、本当にすまない。保健室に連れていくから、僕の肩に掴まって..』
?『もう...こでらいね...!』
そう言って少年は軽く睨むと、スクッと立ち上がりデュース達の間を駆け抜けて走り去っていった
エース『あーあ。行っちゃった』
ジャック『あいつ、俺と同じクラスのヤツだ。確か、ポムフィオーレ寮の...エペル・フェルミエ』
『泣いてたね..』
エース『やーい、泣かせてやんの』
デュース『ぼ、僕だってわざとぶつかったわけじゃ!』
ユウ『デュース、分かってるよ。エースはそんな風にからかわないの』
エース『ちぇ~..』
デュース『ありがとう、ユウ』
『...あの子、悲しそうだった。多分、デュースにぶつかる前から..』
ジャック『レイラ?』
『..なんでもない』
心がザワザワするような、少し嫌な予感がしたレイラはその不安を誤魔化すように、ジャックの胸へと頬を寄せて静かに目を閉じた
fin