第7章 *ハーツラビュル寮編~真紅の暴君~間食トリプル*
ハーツラビュル寮・バラの迷路
五人が寮へと入るために、バラの迷路と呼ばれる庭園を歩いていると、バラの木の前で誰かの焦る声が聞こえた
?『やばいやばい、急いで薔薇を赤く塗らないと』
グリム『おっ、誰かいるんだゾ』
?『おっと危ない、塗り残しは首が飛ぶぞ』
明るい茶髪の青年が魔法で薔薇をいそいそと塗る姿に、ユウはどこか心当たりがあった
するとその青年は、五人に気がつきクルッと振り返る。愛想の良い表情の彼の右目の下には、ダイヤモンドの模様が印されている
?『ん?君たち何か用?』
エース『それなにしてんの?』
?『これ?見ての通り薔薇を赤く塗ってるだけだけど』
デュース『ええっ!?なんでそんなことを』
?『んー、反応がフレッシュでカワイーね!って、よく見たら君たち昨日10億マドルのシャンデリア壊して退学騒ぎ起こした新入生じゃん』
エース『オレたち卒業までシャンデリアのことずっと言われそうだな..』
?『しかも君はその日の晩に寮長のタルトを盗んで罪を上塗りした子だ!学校中で話題のニューカマーと朝一で会えるなんてラッキー♪』
軽い口調でエースとデュースに近寄ると、携帯を掲げあっという間に写真を撮ると、SNSに載せるからという理由で五人の名前を聞き出す
五人も流されるままに名乗ると、アップが終わったらしい青年は自分の名を名乗る
?『あ、オレはデュースちゃん達の先輩で3年のケイト・ダイヤモンドくんでーす。ケイトくんって呼んでね。けーくん♥️でもいいよ。よろよろ~』
ユウ『はじめまして。なんか...スッゴい軽い人来た』
ケイト『あ、君噂のオンボロ寮の監督生になったコだよね。よくあんなとこ住めるね~!暗そうだしマジカメ映え最悪ってカンジ。ホント同情する~』
『ユウの事バカにしてる?もしそうだったら怒る』
ケイト『えぇ~?してないしてない。ってかキミめちゃ可愛い♪あ~そっか、トレイくんの惚れたコってキミかぁ~♪うんうん、確かにオンボロ寮にいるには物凄く勿体ないコだね』
『聞いてないし』
グリム『コイツさっきからちょいちょい失礼なんだゾ』
ケイト『って話し込んでる場合じゃないんだった!パーティーの開催は明後日。遅れたら首が飛んじゃう。ねーねー君達、薔薇を塗るの手伝ってくれない?』