第7章 *ハーツラビュル寮編~真紅の暴君~間食トリプル*
ユウ『え?タルト?それだけ?』
『美味しかった?』
エース『おう...じゃなくて!そーだよ、それだけ!小腹が空いたから寮のキッチンに行ったら、冷蔵庫にタルトが冷やしてあったんだよ。しかもホール3つ分も!だから...』
~回想~
ハーツラビュル寮・キッチン
エース『はあ、初日から疲れた~。夕食食べ損ねたし、腹減ったな。なんか冷蔵庫に入って...あ、タルトがある!うっまそー...こんなにあるんだし一切れくらい食べても分かんねーよな♪
いっただっきまーす♪
うわっ、何コレうまっ!』
?『美味しくて当たり前だ。だってトレイが作ったタルトはいつでも絶品だからね』
エース『いやこれマジ美味いよ!店で売ってるの より...って、寮長!?』
?『ボクのものに手をつけるなんて良い度胸がおありだね。ハートの女王の法律・第89条"女王の許しなくタルトを先に食べてはならない"タルトの窃盗は許しがたい重罪だ!"首をはねろ!"』
ガチャンっ!!!!
エース『ギャー!!!』
~回想終了~
エース『ってわけ...』
思わずグリムも僕も言う言葉が見つからなかった...なんか思ったよりも、小さい話だな...
グリム『どっちもどっちなんだゾ』
エース『たかがタルトを盗み食いしただけで魔法封じられるのはおかしくね!?魔法士にとっては手枷と足枷つけられるみたいなもんじゃん。しかも3ホールもあるんだよ!?絶対一人で食いきれねーだろ!心が狭いにも程があるでしょ!』
プリプリ怒りながら不満を撒き散らすエース。そんな彼の頭をよしよしと撫でるレイラ
エース『レイラ...』
『エース...怒っちゃ、や。でも悲しそう...よしよし』
エース『ありがとな...』
エースは力なく笑うと、レイラをそっと抱き締め甘えるように頬を頭に擦り寄せた。ちゃんと、首輪のトゲに彼女が傷つかないように距離を少し置いたのがエースらしかった
ユウ『う~ん、まぁ...確かに魔法封じはやり過ぎかもしれないけど』
エース『なんだよその煮え切らない反応~!』
グリム『ハッ...!もしかして、3ホールもあったならパーティー用かもしれないんだゾ。誰かの誕生日とか...オレ様、名推理過ぎるんだゾ!』