第7章 *ハーツラビュル寮編~真紅の暴君~間食トリプル*
ユウ『やっば...レイラ起きちゃった!?ごめん、ちょっと行ってくる』
レイラが自分を探していることに気づき、ユウは慌てて隣の部屋へと駆け込んだ
〔ユウ〕
『ひっく...ユウ...』
ユウ『レイラっ!』
扉を開け急いでレイラを抱き締める。するとすぐに背に手が回り、胸に顔を埋められる。酷く震えた体がどれだけ怖がっていたのかが嫌でも分かった
ユウ『ごめん...ごめんね...』
『ユウ...っ...』
腕の中で必死に僕の名前を呼ぶ声が余りにも悲痛だった。ただでさえ一人になるのが怖くて仕方ないのに、目が覚めたらさっきまで近くにいた人が誰一人いなくなっていたら、誰だって怖くなる
ユウ『ごめんねレイラ...もう僕が来たから、大丈夫だよ...』
ゆっくりと撫でながら出来るだけ落ち着いた声で囁けば、次第に震えが治まっていくのが分かる
そっと体を離すと、まだ少し目に涙が溜まってるけど、だいぶ落ち着いたみたい
『ごめ...ユウ...また、迷惑かけちゃった...』
ユウ『迷惑じゃないよ。寧ろ頼ってもらえて嬉しい。そうだ、レイラも起きちゃったならおいで。今ここにエース来てるんだ』
『エース...?何で?』
ユウ『それを今から聞くんだ。何かあったっぽいから...一緒に行こ?』
『ん』
離れたくない言わんばかりに服を掴んで離さないレイラに愛しさを覚えながら、横抱きにして談話室へと戻った
『エース...』
エース『!!...よぉ...』
僕がこの状態で運んできたことにビックリしたのか、エースは若干目を丸くした
『その首輪...』
エース『....』
『最新ファッション...?』
ガクッと音を立てそうな程に、エースとグリムがずっこけた
グリム『んなわけねーんだゾ。あれは魔法で作られた首輪で何か魔法が出なくなるやつなんだゾ』
『グリムが入学式でつけられた...(ユニーク魔法..)』
成る程、と何が成る程かは分からないけど、とりあえずエースと僕で挟むように、レイラを間に座らせた
ユウ『それで、話の続きだけど...どうしてそれを』
エース『...タルト食った』