第7章 *ハーツラビュル寮編~真紅の暴君~間食トリプル*
〔No side〕
オンボロ寮
ユウ『何だか不思議な夢を見ていた気がする』
ユウは夢の中でトランプ兵達が必死に白バラを赤ペンキで塗り替えるという不思議な夢を見た後、まだ真夜中だというのに目が覚めてしまった
そんな時、オンボロ寮の扉を何者かがノックする音が微かに聞こえた
グリム『むにゃ...オイ、ユウ。こんな夜中に誰か来たみたいだゾ。なんだあ?お化けのヤツらか?諦めわりーんだゾ』
ノック音に気づいたのか、はたまた動物の勘というので気配に気づいたのか、目を擦りながら足元のグリムが目を覚ました
ユウ『ちょっと見てくるね...っと、レイラを離さなきゃね』
腰にしっかりとくっついてスヤスヤと気持ち良さそうに寝ているレイラに苦笑しながら、額に軽くキスをするとその手をそっと退けて玄関へと向かった
オンボロ寮・玄関
コンコンコン
ユウ『こんな時間に誰だろう?はーい、どちら様?』
一応警戒のために扉は開けず、中から声をかけると、聞き覚えのある声が外から聞こえてきた
エース『...オレ。エース。ちょっと中に入れてよ』
グリム『エース?こんな時間にどーした...げげっ!その首輪は!』
いつの間にか後ろから着いてきていたグリムがエースの声に反応し、ユウがそれを見てから扉を開けると、彼の首には異様なものが付いていた
赤と黒の色をしたハート型の大きな錠前付き首輪。グリムにはしっかりと身に覚えがあった
エース『も~、絶対ハーツラビュルには戻んねぇ。今日からオレ、ここの寮生になる!』
グリム『にゃにぃぃぃぃ~!!??』
グリムの驚いた声がオンボロ寮中に響き渡った
オンボロ寮・談話室
ユウ『とりあえず入って』
エース『...おう』
ユウ『あ、あとなるべく静かにね。レイラまだ寝てるから。グリム、さっきみたいな声上げないでよ?』
グリム『うっ...分かったんだゾ。にしても、その首輪って、オレ様が入学式であの赤毛の上級生つけられたヤツだゾ。オマエ、何でそんなのつけられたんだ?』
グリムの問いにエースが理由を話そうと口を開いた瞬間、隣の部屋から啜り泣くような声が聞こえた
『ぅぇぇぇっ....ユウっ...どこ...?グリムっ...どこ...?』