第44章 *終曲スカラビア*
ジェイド『寂しいならオクタヴィネルに来ていただいても良いんですよ?』
ユウ『ぐすっ..誰が指定暴力団のとこになんか..』
フロイド『あ"?』
ユウ『なんでもないれす..』
『ユウ』
腰にへばりついていたユウを剥がして、自分と目線を合わせるように体を起こさせると、薄く残る涙の跡を優しく拭った
『いっぱいメールするから..電話もする。少しの間だけど、待ってて?』
ユウ『..うん、待ってる』
『ありがと』
カリム『レイラ帰っちまうのかぁ..じゃあ、今日は更にめいいっぱい盛り上げないとな!レイラっ、一緒に踊ろうぜ!』
『ん!』
差し出されたカリムの手をとり、レイラは初めてにも関わらずその場の誰よりも美しく、そして楽しそうに舞い踊っていた
オンボロ寮
朝早くに帰るにも関わらず、宴が夜まで続きそうになったのをジャミルが何とか阻止したおかげで、ユウたちは久しぶりにオンボロ寮へと帰ってきていた
グリム『ほぁ~..やっと寮に戻ってこられたんだゾ』
ユウ『随分長い間帰ってきてなかった気がするね』
『楽しかった..』
ゴーストA『おぉ~い、3人とも!』
オンボロ寮の敷地に入ったその時、寮から出てきたのは寮に住み着く見慣れたゴーストたちだった
グリム『ゴーストのおっちゃんの顔も、あの牢獄生活を思えば可愛く見えてくるんだゾ』
『ゴーストさんたちだ』
ゴーストB『ずっと帰ってこないから、お前さんちがあの世に行っちまったんじゃないか..ってみんなで心配してたんだぜぇ、ひっひっひっ』
ゴーストC『無事だったんじゃな。良かった、良かった』
『心配かけてごめん』
ゴーストA『特にお前さんは色々狙われやすいからなぁ。まぁ、怪我もなく帰ってきたことだしなによりだ。あぁ、それと大食堂の暖炉の火の妖精たちの番はわしらがやっておいてやったぞ』
グリム『ふな"っ!?そういえば..すっかり忘れてたんだゾ!』
ゴーストA『凍えるほど寒いホリデーはゴメンだからねぇ』
ゴーストB『そうそう、学園長からご馳走のプレゼントも届いとるぞい』