第44章 *終曲スカラビア*
慌てて否定するが、目の泳ぎ具合や頬の赤みで全く隠せてはおらず、ジェイドはニヤニヤと笑みを深める
ジェイド『ふふふ..』
『ジェイさん、なんで"困る"って言ったの?』
ジェイド『ああ、先程の話を聞いていましてね。精神干渉系の魔法が効かないとなると、僕の"かじりとる歯"も効かないことになるので』
『そっか..ん?でも私、ジェイさんに嘘つかないよ?話してって言われたら話すし..あ、でも内緒ねって言われたことは言えないかもだけど』
ジャミル『お前それプライバシーも何もないな..大丈夫なのか?』
『大丈夫だよ?そうするのは好きな人だけだもん』
ジャミル『好きな人って..はぁ..』
ジェイド『レイラさんは素直で無垢なだけですよ。さて、ジャミルさんのお顔が怖いので僕は戻ります。ですがその前に..』
『んっ..』
ジャミル『!!??』
立ち上がる前にレイラの頬に手をあて少し強引に口づけると、至近距離でそっと囁いた
ジェイド『早く戻ってきてくださいね。僕たちが嫉妬で気を狂わせてしまう前に..』
『..ん、わかった。すぐ戻るよ』
ジェイド『ありがとうございます。では失礼しますね、ジャミルさん』
意味深な目配せを送ると、ジェイドは池で遊ぶフロイドたちの方へ戻っていった
ジャミル『..お前、よくあんなやつらとやっていけるな』
『??みんな優しくて良い人達だよ?』
ジャミル『俺からすれば、全員胡散臭過ぎて関わりたくない。お前には分からないか..』
『む、ちょっと馬鹿にしてるでしょ』
ジャミル『別に馬鹿になんかしてないさ』
そう言いつつも、意地悪げな笑みを浮かべるジャミルにレイラは頬を膨らませる
ジャミル『ふ、可愛いな..』
『ん?』
ジャミル『っ//!いや、なんでも..っ』
『可愛いって言ってくれた..よね?』
ジャミル『なんでもないって言ってるだろっ//!』
『んふふ..ねぇ、ヘビさん』
ジャミル『なんだ?』
『ジャミさんって、呼んでもいい?』