第43章 *空漠オーバーロード*
レイラの言葉に顔をしかめたジャミルが指を鳴らすと、レイラを拘束する手枷から赤い電流が走りだした
『うあ"ぁぁ..っ!』
ジャミル『ははは..苦しいか?俺は優しいからな、命まではとらないでおいてやる。それは内側から、つまりお前が魔法を発動しようとしても電流が流れる仕組みになってる』
『あ"...ぅっ..!はぁ...っ..』
電流が止み、苦しそうに息をもらすレイラにゾクッとした興奮がかけ上がると、レイラの太腿に手を伸ばしていやらしく一撫でした
『んっ..ゃぁ..っ..』
ジャミル『っ..イイ反応だ..これは楽しみだな。この宴が終わったら俺の部屋でたっぷりと可愛がってやる。それまで大人しくそこで待っていろ』
ポンと頭を軽く叩き、ジャミルは元の宴の席へと戻っていった
『っ...ぅ..(みんな..助けて..っ..)』
ジャミル『さあ、まだまだ盛り上がるぞ!俺の喜びこんなもんじゃないからな』
スカラビア寮生A『仰せの通りに、ご主人様..』
スカラビア寮生B『ジャミル様こそスカラビアの王に相応しい..』
『『『ジャミル様、万歳..』』』
ジャミル『ははは、そうだろう。もっと言え、俺を褒め称えるがいい』
抑揚のない声で囃し立てられるが、今の浮かれたジャミルにはそんな称賛さえも気分を上げ、高らかに笑い出す
すると、そんな彼に対して更に褒め称える声がどこからか聞こえ始めた
アズール『貴方様は、とてもハンサムで..』
ジャミル『ほう?』
グリム『色黒で、背が高くて..』
ジャミル『それで?』
ジェイド『目がつり上がっていて、とても賢そうです』
ジャミル『それから?』
フロイド『肩がイカってて..』
カリム『見るからに強そうな感じだな!』
ユウ『もうなんというか、うっとりです』
ジャミル『ふん、なかなかの褒め言葉じゃないか..って、お前たちは!?』
かけられる言葉を上機嫌に聞いていたが、視線を向けた先にいたのは、吹き飛ばされたはずのアズールたちの姿だった
ありえない状況にジャミルの恍惚だった表情が一気に崩れ、動揺を隠しきれていなかった
『みんな..っ!』
ユウ『待たせてごめんね、レイラ』