第38章 *邂逅スパイシー*
ワシャワシャと髪を強めに撫でられ、思わず抵抗しようと手を伸ばしかけたその時、急に撫でる手が止まりそっと頬に移動する
カリム『..レイラの瞳も星と同じ、宝石みたいでキレイだな』
『『!!??』』
『シロさんの瞳もキレイだよ..それに、今気づいたけど..シロさんと私、同じ色だね』
カリム『ん?確かにそうだな。でもオレはレイラの瞳の方がキレイだと思うぞ!』
『えへへ..ありがと』
ユウ『○×△□※!!!』
グリム『他のやつと良い雰囲気になる度に変な声出すんじゃねーんだゾ..しかも今回は何言ってるかすら分かんねぇ』
カリムに片腕に抱かれて二人で笑い合う姿にユウは手をワキワキと動かしながら悔しさに変な唸り声をあげた
『シロさん、あそこ..鳥さんが飛んでる』
グリム『見たことねぇんだゾ!』
カリム『お、本当だ!よし、見に行ってみるか!』
絨毯は再びカリムの言葉で動きだし、眼下の川に飛んでいる鳥の群れを目指して下降していった
スカラビア寮・廊下
グリム『はぁ~~~!!!本当に楽しかったんだゾ!!』
カリム『喜んでもらって良かった。なんだかんだあっという間にもう夕餉の時間だな』
空の旅を終えたカリムたちは絨毯を倉庫に戻すと、興奮の余韻を楽しみながら廊下を歩いていた
『シロさん、お花ありがと..可愛い』
レイラの髪には白い1輪の花が飾られていた。先程の空の旅の途中、カリムが川岸に咲いていたのを摘んでレイラに贈ったものだった
カリム『あはは!レイラの黒髪によく似合うと思って贈ったけど、その通りだったな!』
歩く度に揺れる花にカリムが目を細めて笑うと、廊下の奥から急ぎめの足音が聞こえてくる
ジャミル『カリム!やっと戻ってきたな。夕食の前に確認しておきたいことがある。来てくれないか』
カリム『ああ、分かった。ユウ達は先に談話室に行っててくれ』
ユウ『分かりました。レイラ、グリム、行こうか』
『ん。二人とも、また後でね』
カリム『おう!』
ジャミル『ああ..また』
ユウ『レイラ..こっち見て』
『なに?..ん..』
ユウ『..よし、満足した』
『ヤキモチ焼いたの?』
ユウ『うん』