第34章 *閑話カームデイ5~ジャック~*
そう言って、座り込んで不満そうに俺を見上げるレイラの隣に並んで座ると、手が伸びて耳を触られた
ジャック『おい、人の話聞いてたか』
『フワフワの耳..』
聞いてねぇな..くそっ、悔しいが触り方がうめぇ..
おい反応するな俺の尻尾
ジャック『..ならお前の耳も触らせろ』
『ぇ..ぁ、良い、けど..』
妙に歯切れの悪いこいつの頭に手を伸ばし、そのまま小さなウサギ耳にそっと指先で触れる
『んっ..』
ジャック『っ..耳弱いのか?』
『そんなこと、ない..っひゃ..』
ジャック『感じてるじゃねぇか..』
そんな体ビクビク震わせて何が"そんなことない"だ
潤んだ目で見上げるレイラにゾクッと何かが這い上がり、気がつけば俺はそのまま芝生の上にレイラを押し倒していた
『ジャック..』
ジャック『っ..お前、もう少し男に警戒心を持てよ』
『なんで..?』
ジャック『こうやって組敷かれて、次何されるかお前でも分かるだろ』
『..好きな人ならいいよ?』
ジャック『だから..そういうのが無防備だって言ってんだろ』
『ジャック..』
なんだ、と少し声を強めて返すと、レイラは両手を広げて俺を見上げて笑った
『ギュッてして..?』
ジャック『っ~~//!!っだから..』
『好きな人にしかこんなことしない。ジャックのことは好きだから..ギュッてしたい..ダメ?』
ジャック『お前は..はぁ..分かった』
こいつには何を言っても聞きそうにねぇな..多分俺の言いたいことは伝わってるんだろうが変える気はない、ってところだ
周りを確認してそっとレイラを抱き締めると、嬉しそうな声が耳元で聞こえてきて背中に腕を回された
『ジャックあったかい..』
ジャック『..狼は体温高いからな』
『冬にギュッてすると良いね』
ジャック『俺は湯たんぽじゃねぇ...ん..良い匂いだな』
首元に顔を寄せてスンと嗅ぐと、嫌にならない甘い匂いが俺の鼻を擽る
これが例の匂い..高揚感が俺の体を駆け巡り僅かに熱が灯る。多分、欲情してる..だが理性がぶっ飛ぶほどじゃねぇ