第27章 *標的モニタリング*
レオナ『うるせぇ...』
『ん...ぅ...』
そっと耳に口づけ強めに抱き締めると少し苦しげな声があがる
レオナ『なぁ..目、覚めてんならお前の話を聞かせろ』
『いい、けど..なにを?』
レオナ『お前の事なら何でもいい。あの日に嗅いだ匂いについてでも良いぜ』
『分かった..ちょっと長くなるけど聞いて』
夜の小話のタネにレイラは色々な話をした。黒兎の種族の話や能力、謎の声や記憶、親のことなど..
『こんなとこ、かな..?』
レオナ『....』
『レオさん?』
レオナ『お前...いや、何でもねぇ..』
レオナは複雑に絡まる感情のままレイラの肩口に顔を埋めて呟くと、背中に回っていた手が頭に移動し、そっと髪を撫でられる
『..ありがと、気遣ってくれて』
レオナ『何も言ってねぇだろうが...ふ、俺様の頭を撫でるなんざ、お前にしか出来ねぇな..』
上機嫌に尻尾を揺らしていたレオナは暫くそのままにしていたが、満足するとレイラを抱え再びベッドに潜り込む
『3日間、レオさんと一緒に寝るんだね..』
レオナ『嬉しいか?』
『嬉しい...』
レオナ『そうかよ..このまま寮生になっても良いんだぜ?』
『ならないもん..私はオンボロ寮生』
むくれるレイラに"分かってる"と少し残念そうに笑うと優しく抱き締め直す
『あったかい...』
レオナ『..俺が一緒に寝てやるんだ。安心して寝ろ』
『ん..おやすみレオさん』
ゆっくり優しく撫でられる心地よさと温もりに心からの安心感を覚え、レオナの胸に顔を埋めて深い微睡みへと沈んでいった
レオナ『ふ..相変わらず無防備なこった..』
穏やかな顔で寝息をたてるレイラの額に静かに口づけ、レオナも後に続くように瞼を閉じた
ユウ『変なことしないでって、言ってるのに..』