第5章 *登校プレッシャー*
教室
エースを探しに教室へと半ば殴り込みに来た三人だったが、そこにはエースはおろか誰もおらず、代わりに壁に飾られている肖像画が喋り始めた
肖像画『それで?君たち誰かを探しているのかい?』
グリム『エースっていうヤツを探してるんだゾ!顔にハートが描いてある、もさもさ頭のヤツ!』
肖像画『ああ、知っているとも、今日から入ってきた新入生だね、少し前に寮へ戻っていったようだけど』
グリム『にゃに~!あの野郎やっぱり逃げやがったんだゾ!どっちに行ったかわかるか!?』
肖像画『寮への扉は東校舎の奥さ』
肖像画の言われた通りに東校舎の奥、鏡舎にエースの姿はあった
エース『窓拭き100枚なんかやってられるかっての。さっさと帰って』
グリム『こーらーー!!』
エース『げっ!!見つかった!』
グリム『待つんだゾ!!1人だけ抜け駆けはさせねーんだゾ!』
エース『待てって言われて待つわけないっしょ!お先!』
グリム『1人だけずるいんだゾ!オレ様だってサボりたいんだゾ!』
違うだろ..とユウは心に思いながらも、逃げるエースを追いかけ始めた
必死に逃げていくエースの走る先に一人の人影が見えた
そこにいたのは、濃い青の髪と目をしていて、右の目元にはスペードの模様が印されていた
?『...?』
エース『どいたどいた!!』
?『えっ、お、おうっ!?』
ユウ『その人捕まえてください!』
『なんか魔法でも使って..!』
?『人を捕まえる魔法!?足を止める、いや、縄で拘束する?それとも..えっと..』
グリム『何でもいいからぶちかますんだゾ!早く!』
ユウ『悩んでたら逃げちゃうから!』
?『何でも!?なんでも、なん..何でもいいから、いでよ!重たいもの!』
突然の事に慌てる少年だったが、意を決して唱えると、エースの頭上にフワッと黒い影が射した。そしてその影は真っ直ぐ落下して、エースの体を下敷きにした