第112章 *閑話カームデイ13 ~騎士’s~*
セベク『な、何故泣く!?厳しいことを言ったつもりはないぞ!』
シルバー『きっとそうじゃない。レイラ、その涙の理由を聞かせてもらっていいだろうか?』
『ぐすっ、ぐすっ...ぅぅ、あの、ね。やなわけじゃ、ないの。ただ..ぐすっ、う、れしかった、だけ』
乱暴に袖で拭う手を掴み制すると、零れ落ちる雫をシルバーは優しく指で拭っていく。手袋越しに感じる生温く濡れる感触が心地よく、だけどいくら拭っても止まらない涙に少しだけ困り顔を見せた
『う、れしい..の。いっ、しょに、ぐすっ、いてくれて..たすけてくれるって、言って、くれて....ぅぅぅっ、ぐすっ』
セベク『だからといって泣くほどのことではないだろう。まったく、お前はいちいち大げさな上にすぐ涙を流して...ほら、腫れる前にこれで目元を拭け』
呆れ混じりにハンカチを取り出し軽く押しつけられる。汚れるから自分のを使うと返そうとしたが、"いいから使え"と頑なに引かず、言葉に甘えてハンカチで涙を拭いていく
だが、それでも一度溢れた雫は止まらず、ハンカチの滲みがどんどん増えていく一方だった
『ぐすっ、ぐすっ、ぅぅ、ごめんなさい。なみだ、とまんない..』
シルバー『....レイラ。こっちを向いてくれるか?』
『..なに?....んぅ』
セベク『!!』
振り向くと同時に頬に手が添えられ、柔らかな唇の感触が目元に触れる
夢を旅したいつかの日にもされた行為に体がピシッと固まる。ピタリと止まった涙に唇が離れると、オーロラの瞳は嬉しそうに穏やかに光る
『シルバー、さん』
セベク『は、は、破廉恥だぞ貴様ぁっ!!』
シルバー『こうするとレイラは泣き止んでくれるから、これ以上目を腫らすよりは良いと思ったんだが..嫌だったか?』
『ううん、やじゃない。嬉しいよ』
シルバー『そうか。良かった』
セベク『(ムッ..)』
『セベクも。ハンカチ貸してくれてありがと。洗って返すからこのまま借りてもいい?』
セベク『!..ふん、お前がどうしてもと言うなら構わん。だが返しに来るときは1つ連絡を入れてからにしろ。僕が迎えに行ってやる』
『ん』