第5章 *登校プレッシャー*
グリム『オレ様はグリム!大魔法士になる予定の天才だゾ!コッチの冴えないのはユウ。オレ様の子分なんだゾ』
ユウ『いやいや、子分じゃないから。えっとこの子はレイラ』
『レイラ・フィリアス..』
名乗るものの、変わらずユウの背に隠れながら話す様子に、謎の少年は苦笑した
エース『えっと、オレ君になんかした?』
ユウ『気にしないで。レイラは初めての人にはこんな感じだから。あ、でも昨日のあの人はそんなに警戒してなかったよね』
『ん、あの時は炎でテンパってたから、それどころじゃなくて。でもあのお兄さん良い人だった』
グリム『なあなあ!他の奴らは!?』
話している二人を他所にグリムは、エースに他のグレート・セブンの話をせがんでいた
エースもせがまれるままに、次々とグレート・セブンの話をし始めた
どの人物も魅力に溢れていて、話を聞いていたレイラ達の瞳は、キラキラと輝いた
『凄い..』
エース『クールだよな~
どっかの狸と違って』
グリム『ふな”っ!?』
『『!!』』
突然態度が豹変したエースに三人は同様を隠しきれなかった
そんな三人にエースは、もう無理だわ、と腹を抱えて笑い出す
エース『なあ、お前ら昨日入学式で暴れてた奴らだろ?闇の鏡に呼ばれたのに魔法が使えない奴。お呼びじゃないのに乱入してきたモンスター。そして魔法は使えるが世間知らずのお嬢様ってとこ?』
入学式では笑いをこらえるのに必死だった、と先程までの人懐っこい笑みから、妖しい黒い笑みを浮かべる
グリム『なぬ!?しっ、失礼なヤツなんだゾ!』
『ユウの事バカにしてる..?だったら許さない』
ユウ『僕の事は良いけど、レイラの事をバカにされるのは嫌だな』
エース『で、結局入学できずに三人して雑用係になったわけ?はは、だっせー』
グリム『にゃにおおう!?』
ぐぬぬ、と怒りが蓄積されていくグリム。ユウも怪訝な顔をする中、レイラはムッとしながら片足を地面にタンタンと打ち付け苛立ちを見せていた
だが、そんな彼女の目の前に一匹の美しい変わった模様の蝶が横を通り抜けた。余りの美しさに興味を引かれ、あろうことか蝶を追いかけ始め、その場からいなくなってしまった