第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*
バァァァンッ!!!
マレウス『がっ!!なんだ、これは..っ!』
出だしの炎が弾かれた反動をもろに受け、マレウスはその巨体をよろめかせ大きく仰け反った
マレウス『それは..茨の谷の妖精の加護!?そして知らない妖精の加護まで...こんな小さな"祝福"ごときに、僕の炎が押し返されただと!?』
妖精王たるマレウスの前では、小さな妖精たちの加護の力など取るに足らない微々たるもの
それでも、加護の対象であるレイラを守るため。そしていつの日か自分たちの王として君臨するであろうマレウスを救うため
時空を超えてもなお色褪せることのなかった思いが、今この時だけはマレウスの一撃を跳ね返すほどの威力を生み出した
マレウス『誰がこんなものを.....ああお前か、レイラ!』
『っと、う、わわわっ!!』
走る勢いを止めずに投げ込んだせいか途中で足が蹴躓きその場に派手に転倒した。
マレウス『お前も..お前も僕の敵として立ちはだかるのか!愚かな人間たちの肩を持つのか、崇高な存在であるお前が!!』
シルバー『レイラっ!!!』
『っ、大丈夫!!
マレウス、私は貴方の敵にはならない。でも人の敵にもならない。だからみんなを守る!私も、貴方の言う"愚かな人間"だから。
..それに、これで終わりじゃないよ』
マレウス『なに?』
『私が投げたのは、妖精さんたちの力だけじゃない。私の魔力もそこに込めた!
お願い、ノア!!!』
ポンッ!
ノア『はぁぁぁ..本当はこんな連中、助けたくなんかないんだけどねぇ。今のキミは力も弱まってるし、まともな魔法なんて撃てやしないけど。
ちょーっと脅かすくらいはしてあげる。ただし今回だけだよ』
宙を漂う爆散した妖精たちの加護の欠片から黒い靄が溢れ出しその形を変えていく。特徴的な耳と尾が生え鋭い血の色の瞳がギョロリと開眼する
熊ほどの大きさに姿をなした漆黒の兎が、先程の爆散でまだ体勢を整えきれていないマレウスへとその腕を振りかぶる