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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*





『お願いなんでもいい。なんでもいいから、あの2人を...ツノ太郎を助けられる力がほしい。勝てなくてもいい、少しでも2人の助けになれるなら...』






ポゥ...






『ぇ...服の中が光ってる!こっちのポケットは..すごくあったかい』


胸元から溢れるほのかな光と制服のポケットから伝わる温もりに驚き、まさかと思い首からかけていたネックレスを取り出した


『!!村の妖精さんから貰った石。こっちは......ぇ?』


冬のホリデー明け直前、アデライトから渡された鉱石の妖精の贈り物。自分と同じ輝きのガーネットが、眩いほどの鮮やかな光を放ち、奥に秘められた魔力の匂いが微かに漂う


一方、もう1つポケットに突っ込んだ反対の手で中を探ると、ハンカチしか入っていないはずなのに何か固いものが2つ指に当たる。それを掴み取り手を開くと






『これ....お花のブレスレットとお守り。でもこれって夢の中でのお話のはずなのに..』





茎が編み込まれ真ん中に一輪の花が咲いたブレスレット、そして布で巻かれた手のひらサイズの板状のお守り


どれもリリアの夢の旅路の中で、助けた妖精たちから感謝の印として贈られた代物だった。しかし、それはあくまで彼の夢の中での出来事で、現実に存在しているはずがないにも関わらず、握った感触も質感もまったくそのままだった


『...どうしてここ(現実)にあるの?』










ガアアアアアッ!!!



セベク『っ、何度でも、何度でも防いでみせる!ディケー・シールド!!


うおおおおおっ!!!』




『!セベク!!』



何度目かも分からない緑の業火が2人に降り注ぎ、すかさず前へ出たセベクの盾がそれを受け止めていく


セベク『う、ぐぅぅぅ!!今までよりも、威力が上がっているっ!熱を凌げても、このままでは押し切られて...!』



ゴオオオオオ!!!!





どんどん火力を増していく炎と同時に盾を押していく力も強まり、ズズズと踏ん張る足が少しずつ後ろへ擦れていく


与えられた使命を果たすため、ここは何が何でも踏ん張り切るつもりだった。それでも、何度もこの業火に耐え続けてきた体はついにその限界を迎え、バランスを崩した瞬間セベクの体は吹き飛ばされた

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