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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*





再び気を取り直し茨を叩き切っていく姿にホッとし再び炎を放つ。少しずつ出口への道が開けてきているが、それでもまだびっしりと行く手を阻む茨の壁は厚く、4人は天井から聞こえる激しい戦いの音を背に受けながら必死に手を動かした


『(でも、これじゃ全然追いつかない。こうしてる間にツノ太郎もシルバーさんもセベクも、みんな傷ついてる。

私に何かできるわけじゃないけど、それでも....)』








フワッ....








『......(あれ..?頭が、ふわふわ、する)』




突然頭がぼおっとしてペンを振りかざしていた手が力なくだらりと下がる。無気力状態とは違う、まるでラギーのユニーク魔法のように誰かに体を操られているような感覚に、声も出せず足が勝手に動き出す


『(体が、勝手に...ユウ、グリム、リィさん!)』


離れていく体に3人の名を心の中で呼ぶが、茨の切除に夢中になっているのか誰も気づかない。そうしている間にも、足は出口ではなく寮の奥の壁向かって進み続ける


『(ラギさん?ううん、そんなはずない。誰の魔法なの?分かんない。どうしよ、みんなから離れて....あれ?)』





フワッ...





自分の意志に反して勝手に歩いていく自分の体に戸惑うレイラの目の前に、何もない空間から鮮緑の光の球体が現れ、その場で静かに浮かんでいた


突然現れた謎の球体。得体の知れない妖しさがあるのに、どこかその奥底には優しい光が帯びていた




『(なんだろ..初めて見るのにあったかくて優しくて..全然怖くない。


それに私、このあったかさを知ってる気がする...)』



感じたことのある温もりに恐怖心が薄れていく。思わずその光に触れたくなるが、体は相変わらず言うことを聞かず、ただ見つめることしかできない


そんなレイラの体を一周すると、光は静かに目の前の壁へと近づいていく。それに合わせレイラの足も光の後を追って歩き出していく



すると、目の前には壁しかなくこれ以上進めないはずなのに光が触れた瞬間、中央に人が通れるほどの穴が生まれた。奥には真っ暗な空間が続いていて、光は誘うようにその道を進んでいく


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