第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*
ディアソムニア寮・寮前
リリアたちが必死に茨を突破しようとしている中、寮の外の戦況は完全にマレウスの優勢に傾いていた
実力者揃いの寮長・副寮長たちが力を合わせてもなお、こちらの攻撃が一切通用しない強靭な鱗、防衛魔法を容易く貫通してくる炎。そして大きな翼による飛行能力によって、そもそも攻撃が当たらない状況では、圧倒的に不利でしかなかった
体力も魔力も一切消耗していないマレウスに対し、対峙していたリドルたちはもう魔力残量もブロット蓄積量も限界に近い
いっそオーバーブロットしてでも、と禁じ手に走ろうとするリドルを止めるも、もはや他に打つ手がないと状況は完全に詰んでいた
オルト『兄さん...お願い、早く来て!!』
…ゥゥゥウウン..ブゥゥゥン...!!
セベク『!?なんだ?鏡の外から何か聞こえるぞ!』
オルト『あっ!!この音は!』
段々と近づいてくる聞き覚えのあるモーター音にオルトの瞳が輝く。すると鏡に波紋が広がり、中から青色の光が帯を引いて飛び出し、石橋を駆けこちらへと向かってくる
イグニハイドが学園祭で発表した特注マジカルホイールに跨り、サイドに大きな鉄製の箱を乗せながらアクセルを更に踏み込みイデアは不敵な笑みを浮かべた
イデア『S.T.Y.X宅配便でーす!対ドラゴン用決戦アームズのお届けに参りましたぁ!』
『『兄さん!/イデア先輩!』』
クロウリー『待っていましたよ、シュラウドくん!』
レオナ『来たぞ!茨を切り開いて奴に道を作れ!』
待ち望んだ希望の光の登場に全員の目に勝機の輝きが灯る。そのまま爆速で向かってくるマジホイを通させるため、リドルとアズールが道を塞ぐ茨を切り裂く
イデアが最終兵器を持って現れた今、シルバーとセベク以外の寮長たちの役目は一旦終わり。万が一、マレウスが鏡から出てきた場合に備え寮の外へと避難し始める
学園長『残っていた各寮代表も全員ディアソムニアの外へ退避!』
イデア『学園長、学園の結界の強化と、魔法省の偉い人たちへの言い訳、任せましたぞ!』
学園長『お任せください。私、それっぽい言葉を駆使して場を収めるのは得意なので!』