第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*
リリア『....不安にさせてすまなかったのう』
抱きしめた体は小柄な自分よりも細く柔らかく、艶めく黒髪に頬を寄せれば淡い香りがした。胸にこみ上げる温かいものが心地よく、このまま浸りたいと願ってしまう
リリア『しかし今はそれどころではないな。ほれ、そんなに泣いたらおめめが溶けてしまうぞ?今はそれくらいにして、ここから..』
ドォォォォン...!!!
ギャオオオオオオ!!!!
リリア『今の声..まさか、マレウス?』
『ぐすっ..ん、そうなの。ツノ太郎がドラゴンさんになって、ここの外でシルバーさんたちが鏡から出ないようにって戦ってるの!みんなの声が、ちょっとだけど聞こえてくる。きっとすごく追い詰められてる』
リリア『いかん。すぐにマレウスを止めなければ!....炎よ、茨を燃やし尽くせ!』
レイラを立ち上がらせ出口を塞いでいる茨の壁に炎魔法を撃ち出そうとペンを振る
しかし炎が出ることはなく、収束していた魔力も途中で途絶えてしまった。今まで魔力が枯渇しない夢の中で戦っていたため、現実では自分の魔力はもうほとんど残っていないことを思い出した
リリア『..!!そうじゃった、わしは、もう...くそっ!だが、ここで諦めるわけにはいかん!
はあぁっ!』
バキッ!!
グリム『ふなっ!リリアのやつ、折れた燭台を使って茨を叩き切ってるんだゾ!』
何度も叩きつけ内に燭台は完全に粉々に砕け落ちる。しかしすぐに壊れた椅子や別の燭台を手に取り必死に茨を壊していく
リリア『魔法が使えぬなら、こうするしか手はあるまい!』
ユウ『それしか方法はなさそうですね。僕もやります!...おらぁっ!!』
『私も、ちょっとずつだけど魔法で切ってく!』
リリア『頼む。思いとどまってくれマレウス..!』