第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*
『私の魔法でも1本ならいいけど、こんなにいっぱい重なってると....ぁぅ、全然切れない』
グリム『オレ様たち、どうすりゃいいんだぁ!?』
?『...う、うぅ〜...』
行き詰まった状況に嘆くグリムの背後で微かに聞こえた謎の声に、ユウとレイラは後ろを振り返る
ユウ『ん?うめき声?...グリム何か言った?』
グリム『オレ様、なんにも言ってねぇんだゾ』
『!!違う。見て、あれって..』
暗い談話室の奥、モゾモゾと動く人影に目を凝らすと、先程まで眠っていたはずのリリアが全身の痛みに悶えながら体を起こしていた
?『ううっ、体中がいてぇ..マレウスの体力は無限か?ドラゴンをあやすのは骨が折れる..ん?』
マレウスを足止めするために黒鱗城で戦い気絶していたはずが、目を開ければ全く違う景色が広がっていて、リリアはポカンと一瞬その場で固まった
リリア『あれ?ここは?わしは黒鱗城にいたはずじゃ...?』
グリム『リリア!おめーやっと起きたのか!』
リリア『起きた...って、ここは現実!?マレウスの魔法は解除されたのか?』
ユウ『解除されたはされたんですけど..』
リリア『というか、なんなんじゃ、広間のこの惨状は!そこら中瓦礫の山、壁も床も茨で覆われて....ぐへぇっ!!』
ほぼ全壊状態の光景に何が起きているんだと見渡していると、黒い小さな人影が飛び込み胸と腹に鈍い衝撃が走る。全盛期時代ならまだしも歳を重ねた今の体で受け止めきれるわけもなく、リリアはその場で強く尻を打った
リリア『..いっ、てぇな..おいレイラ。いきなり飛びつくな!危ねぇ...じゃろ。頭でも打ったらどうする?』
『...ぐすっ..ぅぅぅっ..』
『『『!!!』』』
飛び込んできたレイラを小突くと、ポロポロ涙を流しながら見上げる瞳と目が合う
あの日別れたリリアと無事に現実で再会することができた喜びに抑えきれない感情が溢れ出し嗚咽を漏らしていく
『ぅ、ぅぅっ..よかった。リィさんに、また会えて..ひっく、また会えて嬉しい..ぅぇぇぇっ!』