第108章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(夢世界)*
シルバーに諭され呼吸を整えると、祈るように自身の胸の前に手を重ね、思いを言葉にして紡いでいく
『今まで一緒に旅して2人のことがたくさん分かって、仲良くなれて...すごく嬉しかった。大切にしてくれたしたくさん守ってくれた。大事なことも教えてくれた.....ほんとにありがと。
まだこれからだし何も終わってないけど、元の世界に戻ったら、2人とお話したいことたくさんある。もちろんツノ太郎とも。
だから、みんなでお話したり楽しいことするためにも....
負けないで。貴方たちなら絶対にツノ太郎を止められる』
『『.....』』
真っ直ぐ見上げる瞳にはもう、滲む雫も迷いもなくなっていた。最後の戦いを前に背中を押す拙くも思いを込めた言葉に、2人の背筋は自然と伸びる、絶対的な願いと信頼はまるで王の勅命のように心に響き、その小さな姿に傅いてしまいそうになるほど、込められた思いは深い
その気持ちに答えるかのように握り返した手は熱を帯び、2人の瞳は恋慕と決意を纏い輝く
そして徐ろに手を伸ばすとシルバーの手はレイラの頬に、セベクの手は頭へと添えられた
シルバー『ああ。俺も、お前とはまだ話したいことが、伝えたいことがある。必ずまた会って、今度はもっと長く共に時間を過ごそう』
セベク『ふん。お前がそこまで言うのなら仕方ない。僕たちは必ずや皆で現実へと戻り、若様をお止めする。
その後には、お前の話とやらをいくらでも聞いてやろう。本も見繕ってやると約束したからな』
『....ん。絶対、絶対また会おうね。
シルバーさん、セベク。2人とも、大好き』
甘やかな微笑みと声色に鼓動が高鳴る。愛しい相手に送り出してくれことがこんなにも嬉しく、こんなにも切なくなるのは2人にとって生まれて初めてのことだった