第108章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(夢世界)*
確実に急所をつけるように、かつ彼の命に関わらないようにするために、2人は現実での最終戦に備えて戦闘訓練に臨むことになった
シュミレーターの準備は既にイグニハイド寮生が立ち上げていて、あとは彼らの操作で専用の装置から2人を転送するだけだった
事態は大詰め。恐らくこれが夢で会話できる最後の瞬間だと予感し、去る前に言葉を残そうと2人は振り返りユウたちを見つめる
シルバー『では...ユウ、グリム、レイラ。夢から醒めたら、また会おう』
セベク『グリム!僕の目がないからといって、怠けるなよ!ユウ、しっかりグリムを監督するように。
ではまた、現実で!!!』
ユウ『はいはい、ちゃんと見てますよって。じゃあ2人ともこの後も、現実でも頑張ってくださいね.....夢から醒めたら、また!』
グリム『お前に言われなくたって、怠けたりしねーんだゾ。またな!』
『ぁ..まって..待って、2人とも!』
イデア『どぅおおっ!?ヒ、ヒロイン氏、いきなり膝から飛び降りるのは危ないから...って行っちゃった』
なんの予備動作もなしに勢いよく飛び降りた衝撃にびっくりしながら、既に走って行ってしまった背中を見つめながら、危ないなぁという心配と同時に、離れてしまった膝の温もりと癒やしの匂いを名残惜しく思った
主任『ふふ、イデくんのお気に入りちゃん。盗られちゃったね。あんなに嬉しそうな顔して大事に抱っこしてたのに』
所長『イデア...めげるなよ』
イデア『...大事な局面だったからすっかり忘れてた。今までのアレ、全部親に見られてた...
シテ..コロシテ...』
シルバー『レイラ、どうした?っと..』
セベク『うおっ!?いきなり飛びつくな!なんなのだ、毎度毎度ハラハラさせおって!』
こちらに小走りで駆け寄って来たと思えば、2人の間にまとめて勢いそのままに飛びついてくる体を受け止める。セベクの小言にも黙ったまま、2人の手をそれぞれ取って見上げたその目にはジワリと雫が滲む
『『!!』』
『っ、あの、2人とも...わたし、その..』
シルバー『........ゆっくりでいい。焦らず、落ち着いてお前の気持ちを教えてほしい』