第108章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(夢世界)*
ほら、と画面を切り替えると、保険室を模した空間に先程まで戦っていたハーツラビュルとポムフィオーレの面々がベッドに横になっていたり、戦闘の反省や談笑する姿が映し出された
『..良かった。みんな元気そう』
イデア『彼らが戦ったのはあくまで仮想空間。肉体が負傷したわけじゃないけど、疲労は脳やメンタルにも蓄積するものだからね。夢見が悪かった時、起きてもなんだか疲れが抜けてない..とか、経験あるでしょ?』
ユウ『気分が悪いと体も重くなる的な感じですか?』
イデア『そう。彼らには現実世界に戻ってからも、キリキリ働いてもらわなきゃいけませんからな』
ユウ『あっ、じゃあレイラもあそこで休んでたほうがいいんじゃない?みんなもいるし..(先輩らに取られるのは癪だけど)』
イデア『!..そ、それはダメっ!!』
グリム『なんでなんだゾ?レイラが来たら、あいつらもデレデレしてすげー喜んで、早く回復するかもしれねーじゃねーか』
イデア『だからそれがダメなの!!確かに今までの観測上、ヒロイン氏が側にいることでメンタルやストレスの回復が見込めることは分かってる。でも、疲労状態で本能的に癒やしを求める今の彼らの中に放り込むってことは、腹を空かせた猛獣の中に小兎を投下するようなもんなんだよ。
そうなったらヒロイン氏の負担が増える一方だし、なにより争奪戦なんておっ始めることになれば、回復どころじゃなくなって結果的に拙者の負担も増えるわけ!!分かる!?』
恐ろしい剣幕で捲し立てられたユウとグリムはその勢いに押されながら、なんとなく想像できる未来に"たしかに"と頷いた
ユウ『あーはいはい。了解ですよ。てことで...いい、レイラ?』
『ん。みんなには会いたいけど、ここでお手伝いするって決めたから、私はここにいるよ。心配してくれてありがと、ユウ』
イデア『余計な面倒事増やしたくないんだから、君らはここで大人しくしててよ。ったく..
それに、やっと画面越しじゃなくて生の推しを眺めながら作業できるんだから、あいつらのところに行かせたら拙者の作業効率が下がるでしょうが...』
オルト『...はぁ..兄さんってば..』
完全自分の欲望全開の呟きに、唯一聞こえていたオルトは呆れて深いため息をついた