第108章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(夢世界)*
所長『開発は最終段階であることは間違いない。だが...』
主任『正直、コードを書き上げてからが本当の勝負なのよねぇ。しかも今回はαテストすらできない、ぶっつけ本番リリース..クリティカルなバグを出すわけにはいかない。イデくんも、限られた時間でできる限り完成度を上げようとしていたはず』
レオナ『ふっ。本当に今の今まで何も気がついていなかったのか、俺たちを泳がせていたのかは知らねぇが..この局面でマレウスが動いた。つまり...シルバーたちを隠れ蓑に仕込んでたチートツールは、本当に大逆転を呼ぶ戦術(ギャンビット)になるかもしれねぇってことだ。
ずっと半信半疑だったが、無駄働きにならなそうでよかったぜ』
オルト『悠長なことを言ってる場合じゃないよ!今兄さんが眠らされたら、計画は失敗だ。今すぐ助けに行かなきゃ!』
所長『それはできない。イデアの夢の中は既に、マレウスの作り出した闇に占拠されている』
主任『イデくんもなりふり構っていられないのか、部屋に張っていた霊素障壁を何重にも厚くしていて、私たちも外から手出しができないの』
オルト『つまり兄さんはたった1人でチートツールを開発しながら..霊素障壁を維持し続けて、マレウスさんの侵入を拒んでるってこと?無茶苦茶だ..!そんなのすぐに限界が来ちゃう。
父さんも母さんもなんでそんなに落ち着いていられるの!?兄さんは今この時にも....!』
主任『オルくん、これなーんだ?』
兄の安否に焦るオルトを手で制しながら、ギアで隠れて見えない口角を上げながら、オルトの母は空中にモノクロの画面を投影した。そこには部屋の中でキーボードを打ち込むイデアが映っていた
オルト『えっ?これ、兄さんの夢の映像..?』
主任『正確には、映像ではなく断片的な観測画像。イデくんからの通信が途絶えてからしばらくして、この画像を受信したの。それから数分に1回、ノイズだらけだけどイデくんの部屋の観測画像が送信され続けてる。あの子は、まだ勝利を諦めていない。きっと大丈夫よ。その証拠に..』
『....ねぇまって。それ、もっかい見せて』
『『『え?』』』
その声に一度閉じてしまった画像が再び表示されると、じっとその画像を見つめていく
『...ぁ、あれって..』