第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
デュース『そ、それは..!気合いでなんとか!』
エース『気合いでどうにかなるわけないだろ!オレらが寮長に決闘を挑んだ時のこと、思い出してみろよ。目があった瞬間には、もう首がはねられてた』
デュース『そ、それは..』
オルト『...僕がデュースさんの盾になるよ』
『『『えっ!?』』』
感覚で動こうとするデュースと現実的なエースのぶつかり合いに落ち着いた声で割って入ると、オルトは自分がリドルのユニーク魔法が効かないことを明かした
魔法と魔導
似て非なる両方をリドルが完全に別物扱いしているため、"魔法"を封じる"首をはねろ"はオルトには対象外
そしてイデアが仕込んでおいた、この魔法領域の中において全魔法を防ぐことができる装備、ケルベロス・ギアを使えば、僅かな間だがデュースを守る盾になれる
そう言ってその名の通り、犬を模したような真っ黒な装備に切り替えた
オルト『ただ..かなり消費エネルギーの大きい機能だから、現在の僕のエネルギー残量だと12秒..いや、10秒が使用限界だと思う』
グリム『10秒しか使えねえのか!?』
デュース『いや。10秒あれば、僕も十分に狙いを定めることができる。ただ、僕はまだ詠唱なしではユニーク魔法を使えないから..その時間を考えておかないといけなくなるが』
エース『でもリドル寮長はユニーク魔法以外にもバンバン攻撃魔法が使えるわけで..それをオルトに防いでもらいつつ狙いをつけなきゃダメ、ってことでしょ』
オルト『うん。しかもリドル・ローズハートさんはとにかく予備動作(キャストタイム)が短いのが特徴だ。でも、どれだけ短縮してもゼロにはできない。必ず隙は生まれる』
デュース『その一瞬を狙って、僕が寮長めがけてユニーク魔法をぶっ放す..ってことだな』
ユウ『かなり難易度が高いね。その10秒の間に、何回チャンスがあるんだろ..』
エース『..それ、本当に成功すんの?』