第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
『『!!??』』
鼓膜を震わす声と共に警棒を構えたセベクたちの登場に、2人は肩を跳ね上がらせ勢いよく振り返る
セベク『エース・トラッポラ..いや、闇め!よくも僕たちを騙したな』
グリム『さすがは嘘つきのエースの闇なんだゾ。すっかり騙されちまった』
エース?『えっ!お前らなんで出てきちゃったの!?あそこで待ってろって..』
セベク『言い訳無用!このまま大人しく捕らえられてたまるか』
グリム『デュースの闇と一緒にとっちめてやるんだゾ!ふな〜〜〜〜!!!』
ブワアアアッ!!と吐き出された蒼炎がうねりをあげエーデュースたちの足元を包み込む。そのあまりの激しさに、2人の周りの温度が急上昇していく
エース?『うわっ、あちちち!ちょっと待った!違うんだって!』
デュース?『熱っ..ん?エース、お前顔が..?』
エース『やばい。炎の熱で蝋(ワックス)が溶けて..!』
体に纏わりつく熱と一気に吹き出してきた汗が、本物の闇ならば剥がれ落ちることのない顔や手の黒みをドロリと剥がれ落としていく
グリム『あれっ?真っ黒な闇の顔が溶けて、普通のエースの顔が出てきたんだゾ...ってことは、おめー、まさか本物のエースか!?』
エース『ったりめーだろーが!!あーもー!せっかく闇を騙して、別のルートに行かせようとしてたのに!台無しだよ、バカっ!』
デュース?『なんだって!?僕を騙してたのか、エース!?』
セベク『なんだと!?僕たちを騙していなかったのか、貴様!?』
ユウ『ああ、もうめちゃくちゃだよ。だからもう少し様子見とけって言ったのに..』
『2人とも、全然話聞いてくれないし』
グリム『普段嘘ばっかついてるから、こういうことになるんだゾ!』
セベク『貴様、せめて先に作戦を説明しておかんかっ!』
エース『じゃあ、もしオレが..闇になりきって一芝居打ってくるけど、本物だから心配すんなよって言ってたら..お前らオレのこと信用した!?』
セベク『するわけないだろう!わざわざ本物を自称するところがより怪しい!』
エース『きっぱり宣言すんじゃねーーー!!!』
デュース『危うく騙されるところだった..畜生っ!反逆者を見つけたぞ!スペードのトランプ兵、集合しろ!』