第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
『っ..はぁっ、はっ..ぐ、ぅぅ..』
『『『!!』』』
くぐもった呻きに振り向くと、少し遅れて後ろを歩くその足取りがおぼつかないものになっていた
フラっと傾いた体を生け垣に手をついて支え、先程よりまだ幾分かマシになってもなお、痛みが引かない頭痛に耐えるようにグシャッと葉を握る
エース『レイラ。お前、マジで大丈夫?顔色すげぇ悪いじゃん...って、当たり前だよな。最初の頃みたいなあんな悪口バカスカ言われて、気にしないって方が無理に決まってんじゃん』
ユウ『ほんと、さっきのことに関しては本気で怒ったから。目が醒めたら覚悟しとけよ..現実に戻ってもぜっっったい許してやんない』
グリム『おう。さすがにさっきのは言いすぎだったんだゾ。オーバーブロットした時よりひでぇこと言いやがって』
エース『オレもあれには結構イラッと来てる。でも、今はレイラの体がヤバそうなのが一番まずい』
セベク『そうだな。今はともかく、いつあの大群と鉢合わせするかわからん。このまま不調のレイラを連れて行くなら、今後の行動は通常の何倍も警戒して進まねばならないな』
『っ!!大丈夫、だから!みんなの、迷惑にならないように、するから。ちゃんと、ちゃんとするから!おいて、かないで..っ、ぐ、ぅぅ..!』
役立たずは置いていく
セベクの言葉をそう捉え一気に血の気が引き、置いていかれないように必死で彼の腕に縋り付く。だがセベクにその気は全くなく、突然勢いよく飛びつき腕を掴んでくるレイラに驚いて仰け反った
セベク『い、いきなりしがみついてくるな!別に置いていくとは言ってないだろう!とにかく落ち着いて、まずはしっかり呼吸しろ。過呼吸になりかけているぞ』
ユウ『レイラ。誰も君を置いていくとか、迷惑とか、いらないなんて思ってないよ。ただ君が心配なだけなんだ。
はい、深呼吸だよ』
『ーーっ、ご、ごめん。はぁ、はぁ..っ、ふぅ..』
ユウの言葉に従い深呼吸するが、明らかに顔色は悪いままで動揺も隠せていない。大好きな人に真正面から嫌悪と憎悪を浴びせられ、誰よりも愛されたいという想いが強いレイラにとって、大好きな人に嫌われることは何よりも辛かった