第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
リドル『夢だって?からかっているんですか?ボクはこうして起きている。眠ってなんかいない!』
レオナ『その出来のいい頭でよぉく考えろ。俺がくだらねえ冗談でお前を騙して、何か得することがあるか?』
リドル『それは....』
ケイト?『リドルくん。レオナくんの言葉なんか信じちゃだめ!』
トレイ?『ああ。あいつは粗暴で堕落した王子だ。お前に良くないことを吹き込もうとしてるに決まってる』
リドル『そ、そうだね..あの偽物たちの目的も分からない。全員捕らえて、懲罰の間へ連れておゆき!』
レオナ『こいつは呆れたな。お前のお取り巻きは、本当にそんなことを言うのか?』
トレイ『リドル。お前が混乱するのは当然だ。だが、どうかレオナの..俺たちの話を信じてほしい。お前は今、眠っている。そして..悪い夢を見ているんだ!
頼む。目を醒ましてくれ!』
リドル『トレイたちの..うぅっ!?』
トレイの言葉にぐらりと空間が歪み、脳裏に現実での記憶が断片として蘇る
エースたちへ差し向けた薔薇の木をトレイのユニーク魔法で防がれただけでなく、寮生たちから"やり過ぎだ"と化け物を見るような目で見られたこと
知らないはずなのにどこか覚えのある光景に戸惑うリドルを鈍い頭痛が襲う。夢からの覚醒の兆候が訪れていた
リドル『ぐぅっ!!あ、あぁっ..!なんだ、この記憶は..っ!』
『!..リドルさん、目が醒めかけてる』
デュース?『ローズハート寮長、しっかりしてください!』
エース?『寮長の厳しさは寮生のことを考えての行動だって、オレたち全員理解してます!』
ユウ『うわ、キモ..』
エース『おい、てめー!オレの姿で気持ちわりーこと言うんじゃねー!』
デュース『確かに、絶対エースが言いそうもないセリフだ..!』
覚醒の頭痛に苦しむリドルに危機感を感じ、闇のエースたちや寮生たちは目醒めさせないために彼の圧政を肯定し始めた
留年せずに進級できた
ルールを守ることが生きがいになった
日々の緊張感が増した
次々にかけられる言葉に覚醒の揺らぎが薄まっていく。自分の行動を肯定してくれる甘い言葉が思考を止め、足を止め、いつしか空間の揺らぎも止まっていた