第107章 *到着スカーレット(リドルの夢)*
ケイト『そんな可愛い顔されちゃだめなんて言えないよ。レイラちゃんも、もしものときはよろしくね』
『ん!』
グリム『ちぇー』
トレイ『頼りにしてるよ。はは..』
『(やっぱりトレイさん、元気ない。お顔の色も良くないままだし..)』
シルバー『..リドルの母親は、随分と寮生たちから恐れられているのだな』
エース『実はトレイ先輩以外、誰も顔を見たこともないんだけどねー。まぁ、暴君時代のリドル寮長のことを見てれば、自然とどんな感じか予想がつくっていうか..』
セベク『ふん。マレウス様のご母堂であるマレノア様に比べれば、どんな苛烈な母親であろうが驚くに値しない』
ユウ『それ褒めてんの?うん、まあ開幕一番に人の頭上に魔法を本気でぶっ放すのに比べたら、まだマシかもねぇ..』
グリム『確かに、マレウスのかーちゃんはマレウスの何倍もおっかなかったんだゾ〜..』
レオナ『.....』
オルト『レオナさん。ずっと黙っているけど、何か考え事?』
最後尾を歩いていたオルトは隣を歩くレオナが無言で何かを思案している様子に首を傾げて問う
地を見つめていたエメラルドがゆっくりと上がりリドルの背中を捉える。その瞳は疑念と警戒に満ち溢れ、心の隅に一抹の不安が過る
レオナ『あの赤い坊っちゃん........
...いや。ぺちゃくちゃとやかましい奴らに付き合っていられねぇだけだ』
その不安が現実のものとならないよう、期待しつつもどこか諦めたような祈りを込めてため息一つこぼした
緋色の都・リドルの家
リドル『さあ、到着したよ。みんな中にお入り』
そんな会話をしているうちに、一同は大きな家の前に辿り着いた。小さな門をくぐり玄関の扉を開くと、リドルは上機嫌で中へと入るよう勧めた
お邪魔しますと一声入れて入ると、小綺麗な玄関が迎え入れ、リドルは廊下の先にあるであろうキッチンへと大声で呼びかけた
リドル『ただいま!リドル様のお帰りだよ!』